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⑧ブランク・・・

2021年4月30日、友達から最後かもしれない電話をもらった。そして翌5月1日、自分のメモ帳には「辛い…泣いた」とだけ書いてある。

友達の今のアカウントは、自分の他にもう一人のマイミクがいるだけだった。友達との電話の中で、この方の話題も出たことがある。自分の知らない友達の話を何か知っているかもしれない…と思い、この方に思い切ってDMを送ってみた。(ここでは仮にAさんと呼ぶことにします)

Aさんとメッセージを交わす中で、色々と分かったことがある。友達はこれまで、mixi の退会・入会を繰り返してきた…ということだった。そして友達はmixi 上に「日記」を書き、マイミクからコメントを貰っても、しばらくするとその「日記」を削除 (或いは非公開化なのかもしれない) してしまう…ということで、Aさんが友達に対して良い感じを持っていない様子が感じられた。

友達のことを、「心の奥底に闇のようなものを抱えていたのかもしれません」とまでメッセージに書いてこられたのだが、自分はそれらの話を聞いても、友達に対して何もマイナスなものを感じなかった。却って、愛しい…とさえ思った。

思い返せば確かに、友達の日記が数日後 (或いは数時間後か…) に見られなくなってしまっていた…という記憶が一つ残っている。

自分は迂闊なことに、友達が mixi でどのような「呟き」や「日記」を発信していたのか、まるで記憶がない。こちらの発信に沢山の反応を返してくれる友達の内面を、自分は何一つ知ろうとしてこなかったのではないか…と思った。

4月にAさんの元にも友達から電話があった…とのこと。そしてこれは自分の知らない話だったが、友達の病気は4年ぐらい前に見つかったものだったらしい。ということは2017年頃だ…。僕と最初にやり取りをしていた2019年には、自らの病を知っていた…ということになる。そのことが分かって、何とも言えない気持ちになった。


丁度ゴールデンウィーク中であった訳だが、入院した友達の様子は当然何も分からず、どんどん重苦しい気持ちになっていった。連休で仕事が休みの自分は、一日の内に何度も何度も、家の近くの広い公園に散歩に出た。外に居る方が、友達にこちらの気持ちが伝わるような気がしたのだ。


5月6日の15時頃、仕事場のラウンジで休憩していた自分は、突然何故だか明るい気持ちになった。あとになって分かったことだが、丁度それは、友達が6日振りに mixi にログインしたのと同じ時間帯だった。そして翌7日には、僕の「足あと」のページに彼の名前が記されていた。本当に嬉しかった。

5月8日にDMが届き、続けて僕のスマホに電話が掛かってきた。嬉しかった。友達は生還したんだ。

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