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【第2回】33歳のおじさんが【ときメモGS-ときめきメモリアル ガールズサイド】で「自分らしさ」を真剣に考える物語

🌸ときメモGSで繋がる3人のおじさん

このブログは33歳のおじさんが、ときメモGSを初見プレイする中で、新たな感情を発見する日々を綴るものである。第1回目のブログは以下から。

そして前回は記載しなかったが、ここで重要な報告が1つ。
このときメモGS初見プレイ、主に同い年のおじさん3人組で画面共有をしながら進めている。

なので話は前回の反省会から始まることに。そして私からは、今後はゲームのプレイ中はお互いを「女性の名前」で呼び合うことを提案した。

★しゅう子…当ブログの書き手。
★けい子…しゅう子の大学時代の同級生。都心で暮らす。
★たす美…しゅう子の小学生からの幼馴染。猫を飼ってる。

しゅう子
「やっぱり気になるのは姫条くんかな~。鈴鹿だけはありえない」

けい子
「鈴鹿君、結構いいけどなぁ。あれはしゅう子が部活にちゃんと出なかったからじゃない?」

たす美
「俺はなんで守村君が気になったのか、考えてみたんだよね。多分、女性としての視点じゃなくて、男性としての視点でみていたんだと思う」

【ときメモGS1】守村 桜弥

おっさん達が気になる男子を語る時代がもうそこまで来ている。
そんな新時代の到来を感じながら、第2回ときメモGS初見プレイ、はじまりはじまりである。

🌸ファッションは自己表現ではなくコミュニケーション手段

前回でも話題に挙げたが、ときメモGSではファッションが極めて重要なファクターとなっている。そして意中の男子の好感度を上げる為の当面の課題は秋服・冬服がないことであった。

ソシャゲ感覚で時短プレイしようものなら、トレンドやショップ情報を見逃してしまい、そもそも服を買う場所すらないという始末。

何より洋服を選ぶ為、ショップに入ったときにこそ、私たちおじさん3人の議論が白熱する。そもそも女性ものの洋服の名称と、その機能の繋がりすら理解できていない体たらく。我々にとって「プリーツスカート」とは「ストーンヘンジ」と同じくらい未知の代物である。オーパーツといっても過言ではない。

maviru プリーツスカート より引用


ストーンヘンジ/イギリス南部ソールズベリーの平野

(なんだか姿形が似ていなくもない。今後、プリーツスカートをはくときに、裏で男子たちから「ストーンヘンジ」という妙なあだ名をつけられたらどうしよう!!などといった心配とも戦わないといけないのか…)

話を戻して今回のプレイの結論から言うと、我々は10月~12月の期間中、全てのデートを薄着で挑むこととなった。(なぜそうなったかは成り行きとしか言いようがない)そしてデートに赴くたびに、洋服のコーデ以前に、その季節外れの服装を心配されて好感度を毎回下げてしまうことに…。

ここで「デートとは2人でつくりあげる時間」だということを思い知らされる。

ひとりで出かける分には、好きな洋服を思う存分に着て、大手を振って歩けば良い。そういう自己表現は大賛成だ。

でも、デートでは必ず隣に誰かがいる。その誰かとは、少なからず私自身が好意を持っている人間だ。せっかくのデートで、相手の気分が悪くなるような話題を出す人はいない。それと同じように、ファッションだって2人の間で意味をもつ立派なコミュニケーションのひとつだったのだ。

よって独りよがりなファッションをすれば、ガッカリされるのは当然の理である。

洋服はコミュニケーションのひとつ、だから可愛いって思って欲しいんだ。

次のバイト代がでたら、とても暖かそうな服を買おう。そんな決意を込めて、12月の寒空へと続くドアを開けた。サマーニットを突き抜ける風は容赦なく冷たい。でも、大丈夫。走って行くから。

🌸「自分らしさ」を探し続ける日々、それがときめきメモリアル

このときメモGSをプレイしていると「自分らしさ」とは何なのかと思わず考えてしまう。会話が弾むと、それはそれで嬉しいんだけど、好かれにいってる自分は好きじゃないというか。

姫条君との会話はいつも楽しいけど、好かれたいっていう想いが強くて、自己嫌悪に陥ってしまうこともあったり。

だから、いつ電話をかけても「今、忙しいんだけど!」と悪びれもなく言ってくる鈴鹿との会話の方が楽だったりもして……。
(選択肢に出るわけではないが「お前なんか絶対忙しくないだろ!!」と声に出して返すようにしている)

そんな心ここに在らずの状態で吹奏楽部の練習に参加していると、氷室先生に声をかけられた。(バスケ部は1年生の8月で辞めた)

「自分のできることをやれ」

そうよ。いくら「自分らしさ」を思い悩んだって、ここで止まってたら、答えなんか分かんないじゃん。今は私立はばたき学園吹奏楽部の一員として、少しでも演奏が上手くなりたい...!!

私は文化祭に向けて、日々の練習にのめり込んでいく。

そうして向かえた文化祭当日。私の初ステージ。
私はとにかく必死に、フルートだか、ピッコロだか、尺八だかよく分からない楽器を吹いた。ただただ吹いた。

.............

体育館を包む拍手で幕を閉じるステージ。氷室先生が澄みきった目で私を捉えてこう言った。

「今回の演奏はあおきがいなかったら成立しなかった。来年は演奏曲から選んでほしい」

やっと分かった。

「自分らしさ」ってきっと、毎日少しづつ積み上げて形づくられていくものなんだ。

だから私はこの吹奏楽部という、この学校で見つけた居場所で、これからも自分のできることを精一杯、続けていこうと思う。

(翌々週のとある日)

氷室零一/KONAMI公式サイトより引用

「部活に無断で来ない奴には退部してもらう」え、あ、先週の土曜日って部活の日だったの??
そもそも一回部活休んだくらいで退部???
文化祭の功労者なのに????
はぁ?????

「こっちから辞めてやるわよ!!!!!!」

フルートだか、ピッコロだか、尺八だか分からない私の楽器は、今も音楽倉庫の片隅に忘れ去られている。

🌸変わろうとしてるのは私だけじゃない

クリスマスパーティーで印象的なシーンがあった。それは同級生の有沢志穂についてのことだ。下校イベントを通して、現在は「志穂」呼びなので、以降は志穂と記載する。

志穂はとにかく勉強一筋な女の子で、恋だ何だって浮かれてる同級生をどこか冷たい目でみている印象がある。

私が言うのもなんだけど、私服もちょっと野暮ったい。またそういうところを指摘しても、勉強こそが正義と一蹴されてしまう。

しかし、クリスマスパーティーで話しかけてきた志穂はいつもとは別人で、とても素敵なドレスに身を包んでいた。

「そっか、変わろうとしてるのは私だけじゃないんだ」

有沢志穂/KONAMI公式サイトより引用

もしかしたら「これが私!」って声を張りあげることよりも、「こうなりたい私」に少しでも変わろうとしていくことが大事なことなのかもしれない。

何より「変わりたい」と思って、悩んで、行動する私の友達を、大切にしなきゃって思ったの。

バラバラにまかれた青春という歪なジグソーパズルのピースを、私たちは少しずつ嵌め込んでいく。今、私が想い描く完成図の真ん中にいるのは……。

いつ呼び出しても忙しいという、あいつの電話番号を私は見つめていた。

次回、1年生の終わり編に続くのである。冬服はまだない。


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