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海外就職 やっぱりしんどい 不眠症デビュー

 

 横になったら五分で夢心地に入っていた私が、最近は睡眠まで一二時間掛かっている。

 羊を数えようとしてもその羊はいつしかプログラミングのコードに変身している。

 寝る前にデジタル系のものをいじってはいけない、脳がフル回転してしまうため、とはよく耳にするアドバイスである。

 しかし、デジタル系のものをいっさい手にせずキチンとベッドに入っても、丑の刻のあたりには何度も目を覚ます。

 脳の中にはデジタル(コード)が浮かんでは消えてゆく。

 そういえば、以前、睡眠学習というものがあった。今はどうなのであろうか。

 睡眠時は睡眠に集中したい。

 

 不眠症を予防/緩和/解消させるためには、太陽の光線をしっかりと浴びて「セロトニン不足を解消する」と、「はまー」さんが、役に立つ蘊蓄を御教授してして下さっていた

https://note.com/hamer/n/n38e84412ac2b

 

 同僚たちは昼食のあと、30分ほどサイクリングをしてみたり、犬の散歩をしてみたり、短い日照時間の中で出来るだけ外に出るようにしている。

 しかし、私は性格上、何かをやり残していると落ち着くことが出来ないため、結局、一応のめどが付くまで働き続けてしまう。


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 そして退勤(ログアウト)の時間になると窓の外からはセロトニン供給源は姿を消している。

 私が何かの成果を出すときには、同僚達よりは多少時間が掛っているのであろう。(Noと言えない等の)性格的なものは別として、同僚たちにはなくて私にあるハンディキャップとは何であろうか?

 まずは言語である。


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 英語と中国語は情熱と興味を持って自主的に勉強をした。

 しかし、スウェーデンに関しては、必要に強いられて勉強をしたというのが本音かもしれない。

 高校からスウェーデンで暮らしている日本人の友人は、私のスウェーデン語は、まあまあ合格レベルであると評価してくれている。会社のコーヒータイムにおいては、その場を盛り上げることも、それほど苦もなく出来る。

 しかし、業務上の会議においては、逆にまったく無口になってしまう。専門語が飛び交い、議論のテンポも非常に速くなる。会議が終わったあとも、おそらく85パーセントほどしか理解していない。

 コーヒータイムの語彙とビジネス上の語彙はまったく別物であることを、つくづく痛感する近頃である。

 一番最初の職場は公用語が英語であったため、幾分、楽ではあった。しかし、プライベートな時間は、みなスウェーデン語で雑談をしているため、(仲間に入りたければ)結局はスウェーデン語は避けて通るわけにはいかなかった。

 こちらに移住されて来たばかりの方がたも、スウェーデン語では苦労されているのではないかと想像する。

 しかし、他のかたのブログ等を時々、のぞかせていただくと、自然にスウェーデン社会に溶け込まれていらっしゃるかたも多い印象を受ける。

 その次は文化、習慣と価値観である。


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 これも言語と相通じている部分もあるかもしれない。

 業務上には限らないが、明瞭な例をあげさせていただく。 

 日本人の美徳であるはずの「相手の立場になって状況を鑑みる」、といった行動は、こちらでは困惑を導くだけにおさまらず、大迷惑、揚げ句の果てには(お互いに)激怒のもとになってしまうこともある。

 私は、二十年間異国で暮らしていても爪先まで日本人なので、バイキングの子孫達とは根本から理解し合えない価値観も多い。

 スウェーデン人はヨーロッパの中の日本人などと比喩(揶揄)されることもあるらしい。

 確かに、同じ企業の中には、一日本人としての私の思考回路がどうなっているのかを驚くほど正確に理解して下さっている方々もいる。

 そのような方々とは非常に話が通じる。

 そのうちの一人は、スウェーデンで非常に人気のある村上春樹氏の大ファンである。村上氏の文学感覚で私を理解して下さっているのであれば複雑な心境になるが。

 例によってつらつらと問題を述べたあとに、それでは解決策はなんだ、と問われるかもしれない。


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 文章に出来る直接的な解決策などはないが、心が折れ切ってしまわないように心掛けていることは主に二つある。

 海外移住、海外就職という十代の時からの憧れの二つを、苦労の末、ようやく成就させたのだという初心を忘れないようにしている。

 さらに、

 日本人は、昭和の一時期(1980年代)にはジャパン・アズ・ナンバーワンなどと称賛された経済大国を築いた国民だ。

 日本人の端くれである私のどこかにもその不屈の心意気のようなものがあるはずだ、と(何の根拠もないが)信じるようにしている。

 業務はおそらく今年も楽にはならない。

 眠れる時に寝ておこう。


(*不気味なほどの偶然ですが、ジャパン・アズ・ナンバーワン著者のエズラ・ボーゲル氏は、この記事を書いた日に亡くなったそうです。このことを知ったのは次の日でした。この記事をこちらで発表させていただくことが多少遅れてしまいました)


ご訪問有難うございました。

現在、こちらで医療に従事していらっしゃる方々の中には、有給休暇を採ることも儘ならず、辞職をする方が増えて来ているというニュースを耳にします。

スウェーデンの発表した新しい規制 (下記ー日本大使館からの一斉メールより)が、医療従事者の負担を多少でも軽減して下さることを祈ります。

●12月18日、スウェーデン政府は、レストラン等で飲食を共にすることができる最大人数を4人とするとともに、午後8時以降のアルコールの提供を禁止とするなど、より厳格な規制措置を発表しました(12月24日から適用)。
●高等学校のオンライン教育の延長、公共施設の閉鎖などに関する規制措置も発出されています。

1 これまでレストラン等で飲食を共にすることができる人数は8人とされていましたが、これを4人とすることとされました。また、レストラン等でのアルコールの提供は午後10時までとされていましたが、これが午後8時までとされました。これらの措置は12月24日から適用されます。

2 また、以下の措置も発表されています。
・高等学校のオンライン教育の延長(2021年1月24日まで)
・屋内プール、図書館、ミュージアム等の閉鎖(2021年1月24日まで)
・職場勤務の必要がない職員の在宅勤務
・ショッピングセンター、小売店、ジム等における最大利用者数を設定する
・公共交通機関使用時におけるマスクの着用(2021年1月7日から。公衆衛生庁が今後詳細を発表。)

紹介させていただいた写真はカロリンスカ大学病院付近の新興住宅地、およびカロリンスカ医科大学の夏季の花壇でした。ほんの数か月前のことですが懐かしく感じられます。