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海辺のカフェでの話

とっても穏やかだったり焦りや強烈な不安だったり、いろいろな心の変化はありつつも時間は刻一刻と過ぎていて、前職を辞めて早数ヵ月が経った頃、図書館でたまたま見かけた求人誌に載っていた海辺のカフェが目につき、電話をかけてみた。

「結婚は?子どもは?年齢?家はどこ?英語は?・・・etc」

少し不快な気もしたが、問い合わせがとても多いらしく、この時点である程度ふるいにかけているんだとか。

めでたく(?)お会いしてみましょうとのことで翌日お店に行ったのだけど、この時初めてこのカフェが家族経営だということを知った。オーナーとママさんと息子さんとバイト生数名で日々の営業をしているらしい。

前日電話で話したオーナーが対応してくれて、どういう想いでここを経営しているとか、バイト生・客・地域の子どもたちともフラットに会話して関係性を築いているとか、自分が笑顔でいられると相手にも笑顔で対応できるとか、バイト生達はそれぞれの夢に旅立つまで”お預かり”していているような感じで家族みたいに思ってる、とかいろいろ話してくれた。

何より、以前彼は県外で複数会社を経営していてそれなりに上手くいっていてお金もたくさんあったけど、頑張りすぎて心を病んでしまった経験があるらしい。それでその経験があるから私の気持ちもすごく分かると言っていた。

面接のつもりで行ったのになんとなく人生の話みたいな感じで、私が話す時も「理解しようとしている」「知ろうとしている」そんな態度だと感じた。そして”理解されている感”が嬉しかったのか、よっぽど力んでいるのか何なのか、話しながら途中めちゃウルウルしてしまったf^^;;

30分くらい話しただろうかというところで、「一旦うちで預かって、リハビリみたいにさー自由に気楽に働きながらシフトとか勤務時間とか話し合いしながらゆるく決めていこう、っていうスタンスでとりあえず〇曜日手伝いに来てよ」

って言われた。そしてすごいおっきい声で「ママ~決まったよー!気に入った!」って。この”受け入れられた感”がじんわり染みてきて帰り道泣けた。

どうなるか分からないけど、とりあえず社会復帰の前段階(?)みたいな感じでゆるくやっていこうと思う。久しぶりに英語も日常会話くらい話す機会があるはずだからそこも楽しみに、バイト生たちとも仲良くやっていけたらいいなー。

※※このカフェ生活がそんなに長くは続かないことをこの時はまだ知る由もない※※

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