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一周まわって仕事が好き。

転職がしたい。そう思って何年経っただろう。


アパレル会社員として新卒採用から早9年。今年4月からは10年目という中堅ポジションになっている。

今は店頭での業務が主だがこれまで経験したことは色濃く、マネージメントや社外対応もしてきたから次のステップに進みたい願望が日に日に大きくなってきている。




これまでも、ふと気を抜くと転職をいつも考えてきた。

まず第一に拘束時間が長い。これは自社の勤務体制の問題でもある。社員は朝から閉店まで必ず常駐しなくてはならない。だれひとり人が来なくてもだ。毎回の勤務がそうではないが、開店から閉店まで立ち続けるようなことをしていると無力感に苛まれる。この時間があれば、あれもこれもできる。同年代はゆっくり家で休んでいるだろうな、なんて考えてしまう。

(実際は映画やドラマをだらだら見たり、ネットサーフィンして終わるのだろうけど)


第二に、コレじゃない感が強い。

この会社に入社を決めた理由、それはとりあえずもらえた内定先だったから。今となっては言い訳にしかならないが、私の大学4年は就職氷河期と呼ばれた時期だった。会社説明会に行こうとしたのもひょんなキッカケだったが、今まで何10社落ちたのかわからないくらいスルっと進んで、内定を頂けた。とりあえずどこかもらってくれ...と藁にもすがる気持ちで就職先を見つけようとしていたのだから、とりあえずやってみようといった始まりだった。(その分大きな期待がなかったから続けてきたのかもしれない。)


第三に、休みが少ないこと。

土日祝休みの人と比べて、好きな時に休めてハイシーズン以外に旅行へ行けることは入社後数年はかなり魅力的だった。ただ、ここ数年は年末年始のフル勤務の辛さや連休取得の申し訳なさを強く感じるようになってしまった。世間が今年を振り返って年始に家族とゆっくり過ごしている時間がすごく羨ましく思えたり、自分が連休を取ることで職場の人に負荷をかけてしまう日本人的罪悪感がどうしても拭えない。休みは休みで休みたいのに!毎月9日休んでいて調べたら年間128日休んでいたけど...ちょうど今人員不足だからこの先は厳しいだろうな。



そんな理由を並べて、転職サイトや求人を見たりするのだが当然ピンとこない。なぜなら、私はこの現状を蹴ってまでどうしてもやりたいことがないから。趣味レベルでやりたいことはたくさんあるのに。

でも自粛期間を経て、ようやくこれからの人生について考えて動こうとしたこのタイミング。

だったのに。


仕事が再開した途端、やっぱりこの仕事嫌いじゃないんだなと気付いてしまった。


たった数回話しただけなのに、まるで旧友のように私を求めて買い物に来てくれる方々がたくさんいた。そして愛溢れる言葉をもらった。

それは仕事を通してというより、私の求めていた人と人との信頼関係がちゃんとそこに構築されていた。私の探していた仕事とはそうやって信頼を築いて、お互いがウィンウィンになること、もっと言えばウィンより双方ハッピーになること。


目の前の人が喜んでくれることほどうれしいことはない。


多分そのことが現仕事の満足度を下げずに今も続けている理由なんだと分かってしまった。


仕事としてやりたいことは考えれば考えるほどやはり難しいが、私の周囲、関わる人には幸せになってもらいたい。それは小さな目標。





そんな野望を胸に、今日もすんなりいつもの仕事に向かうのだ。



仕事は好き。

でも未来への道筋に向かってアクションしたい気持ちだけがくすぶっている。



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