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R301、久しぶりの坂とか

梅雨の合間、久しぶりの晴れはお昼頃から爽やかな風が吹き始め、気温は暑くてもいつもよりはカラッとした良い午後になった。お昼を過ぎてもぽつりぽつりと来客があり、それぞれいろんな話を聞かせてくれた。こうして様々な人が訪ねて来てくれることも、新城に戻り活動を開始した6年があったからだと思う。人の繋がりにただただ感謝するばかりだ。

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そんなこんなで、気づけばお店を終えたのは16時頃だったので、さくっとロードワークに出たいし、気温は暑いしということで、山に向かうことにした。ヤングキャッスルを出て約2kmで峠の入り口に立てる。近いことは良いことだが峠の入り口までたどり着くまでにウォーミングアップするところもないので、いきなり坂に突入するリズムというのは正直辛い。この国道301号は「和田(峠)まで」という言い方で東三河のサイクリストにはお馴染みのヒルクライムスポットだ。ストラバの区間設定では距離約5.5km/平均勾配約7%となっている。ストラバのトップは15分を切っている。走るたびにに思うのだが、そういう速度で登るというは、それがどういう感覚で、どういう次元なのかは全くよくわからない。そういえば以前このR301は雑誌に取り上げられいた。岡崎側からは「くらがり峠」を使い登ることもでき、こちらもメジャーなヒルクライムスポットである。

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ヒルクライムをすると言っても、いつも使っているバイクはロードバイクでなく、シクロクロスバイクでタイヤはIRCのBOKENでフロント40cで、リアは36c、空気圧は大体2.5barくらい。ギアはフロントシングル40Tx11-30Tで登っている。自分の実力ではヒルクライムするにはあまり適している仕様とは言い難い。けれど登れない訳ではないし、まぁ、これでも楽しめるし、下りは安心感があり楽しい。

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さて、このR301に登るのは本当に久しぶりで「以前はいつ登ったかな?」と思い出せないくらいだ。午後4時、登り口にある温度計は30度を指している。別にヒルクライムが嫌いではない。ロードワークもしかり。きちんと割り切ればそれもまた楽しい。けれどそれは「=辛くない」という訳ではなく「やはり厳しいなぁ」と登っている間、何度も思った。勾配がきついところでは少しギアも足りない。フロント36Tとか34Tくらいがちょうど良いのかもしれない。むしろこうした楽しみ方するのならフロントはダブルリングが良いなと思う。そんなこんなでぼんやりあれこれ考えたり、自分を励ましながら耐え、坂も終わりが近づいてくれば「あと少し、あと少しだ」となるわけで、区間の終わりとなる和田の峠に着けばそこは標高約500m弱の高原の世界で、峠は風抜けもよく涼しいし、まぁ、結局、登る速度が遅くても早くても、明確なゴールがあり、そこにたどり着けばなんとなくその場限りではあったとしてもやはり「やった感」はある。これは自己満足であってもスポーツがもたらしてくれる素晴らしい充足感のひとつなのだと思う。そして今日はストラバによれば25分ジャストだったらしい。タイムはともかく久しぶりのヒルクライムは楽しかったし、冬のクロスを考えると一区間で30分弱、しっかりと自然に必然的に追い込めるのはちょうど良い。

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こんな風に書き進めてくると、いつも裏山でトレイルを楽しむように、このR301も裏山に位置するヒルクライムスポットで自分の暮らしからその入り口までたった2kmで、ささっと往復するなら1時間はかからない。そして登ると涼しい。せっかくこんな環境で暮らし、仕事をしているのだからもう少し、向き合っても良いのかなと思った久しぶりのヒルクライム。子供の頃は父と一緒にこのR301のカーブにある街灯の下にカブトムシを探しに行ったなということも思い出す。40歳を越えた今、僕はこの坂を自転車で登る、そしてカブトムシ探しと同じようにこうした日々の挑戦に少しワクワクしたりしている。自分も歳をとったし、周囲のいろんなこともその時からすれば大きく変化してしまった、し過ぎてしまったけれど、それでも坂は変わらずそこにあり受け入れてもらっている、そう、悪くない…そして自分はいまそんな風に考えているんだと改めて気づく…こうして文章に起こしてみると、なんだかんだと言いながら思いがあり、楽しかったんだろうということがよく伝わってくる。

天気が良い時は嫌がらずにもう少しまめに登ってみようと思う。しかし山が近いづいてくると「あぁ、いまらあれに登るのか」と思う「やれやれ」という気持ちと「まぁ、それでも登れば満足感はあるわな」という「挑戦する気持ち」が交差して、毎回やってくる。明日もカラッとした良い天気らしい、明日も登ってみようかな。ヒルクライムはアンビバレントな思いが交錯するとても人間らしい一面を持っている。

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