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間違いないこと

むかしむかし。

「明石家さんまのことは好きではないが、(おもしろさは)間違いないんだよ」と、定年退職後にテレビジジイになった父が、新聞のテレビ欄で面白そうな番組を探しながら笑っていた。

三K辰文舎(さんけーしんぶんしゃ、と読む)という落語家3人の音楽バンドが歌って演奏する荒井由美の「ひこうき雲」を聴きながら、そんなことを思い出した。

いつだったか、たまたま聴いていたラジオで松任谷由実が、学生時代に先生をイジメたという話を笑いながらしてることにドン引きしたんだけど、才能と性格は別モノだなあと改めて思った。

それに合わせて、本当の名曲は誰が歌っても沁みる。メインで歌っていた入船亭扇辰さんは、とてもいい声なのだ。今でいうイケボというやつですな。落語家さんはみんなそうだと思うけど、ほかメンバーの柳家こさんさんも、橘家文蔵さんもイケボ。

何故、この話をしているかというと、渋谷のほうで「文蔵組大落語会」という2日間にわたって行われるイベントに行ってきたのだ。

橘家文蔵さんは、コロナ禍が始まってすぐに落語の配信を始めたひとの1人だ。ガラガラになった通勤電車に揺られた日々、配信の日がとても楽しみだった。

「文蔵組」というのは、ファンクラブ的な組織で、文蔵さんが強面なところから、反社会的ななにかを連想させる名前になっている。

初めて文蔵さんを知ったのは、10年近く前のこと。まだ文左衛門と名乗っていた。浅草演芸ホールで、めちゃくちゃ勢いのある「時そば」を聴いた。普段は「喬太郎さんが好きで…」とは公言しているものの、こっそり文蔵さんもチェックしている。同じく勢いがすごい「寝床」も、おかみさんが健気な「芝浜」も好きだ。強面だけど繊細なおじさんなんじゃないかと勝手に思っている。

「大落語会」は昨年に続き、2回目。たくさんの落語家さんたちを見ることができる。ベテランさんも若手さんも、みんな文蔵さんの強面や強権をイジりながら笑っている。

上手から現れて、ゆっくり高座に向かう姿を見て、なんだか思い出した。このゆっくり座布団に座るまでの間にワクワクさせられるのだ。久しぶりに見る姿に「あー生で見るのはいいなあ」と思った。

きょう観た文蔵さんが「時そば」を演っていた。やっぱりおもしろかった。

あすも行きたいけど、あすは配信で楽しむつもり。やっぱり娯楽は大事だよ。

基本的なコロナ感染予防を守りつつ、また生で鑑賞出来る日を待つのだ。

最後に、ユーミンファンのみなさんすみません。でも、ファンはユーミンのそういうところを引っくるめてファンだと聞いているので、怒る人はいないと思っています 笑。

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