見出し画像

がん再発1ヶ月目③『一期一会90歳ばあさんの愚痴を聴き心乱れる』

京都に空海ゆかりの『病や心の苦しみの象徴である釘』を抜いてくださる釘抜地蔵さん(石像寺)というお寺へ行きました。空海さんが唐から持ち帰った石からお地蔵さまが作られているそうです。


お香をに火をつけてお参り。

病気になってから急に神様仏様の元へ訪れるようになりました。
こちらのお寺では熱いお茶を境内でいただけます。

あつ〜いお茶

極寒の京都だったので、ものすごく温まりました。

で、ですね。お茶を飲んでいると、シルバーカーを押した背中がまるくなった老女がこちらへやってきます。

老女「ふ〜疲れた」
わたし「おつかれさまです」
老女(目がきら〜ん✨)
「あんたどっから来たん?」
わたし「大津です」
(しまった、話しかけたら長くなるタイプのばあさんや)
老女「え?おろつ?」
わたし「大津市です」
老女「おもつし?」
わたし「滋賀県です」
老女「あ〜、滋賀県!遠いとこから」
わたし「そんな遠くないですよ」

老女「わたし、90歳で毎日来てるんどす。娘が歩け歩けってうるさくて。ほんまにわたしは大事にされないの。お金もね、2万、3万くらい持っておきたいのに、娘は持たせてくれないの。前にお金を取られたことがあってそれ以来、くれないのよ。娘には逆らえへん、ご飯食べさせてもらえなくなるから。」

わたし『そんなこと聞いてね〜』と思いながらニコニコして「それは大変ですね。」

老女「そうどすねん、娘はほんとに私を大事にしてくれなくてね。孫はやさしいんやけど。◯★△✕†‰©〜省略、あ、◯◯さん!」と

釘抜地蔵友達が登場。

老女「わたしはほんまに苦労してきたわ。姑に散々いじめられてきたし。今は娘にきつう言われるし。でも、あの人(さっき登場した友人)はずっと独り者やからな〜んも苦労してはらへん。わたしは苦労してきた。」

友人「はいはい、わたしは苦労してないです。でもわたしはわたしで苦労してきたんよ。」

老女は、友人の話を聞いておらず、ひたすら娘の文句と自分が90歳で毎日歩いて釘抜地蔵まで来ていることをアピール。

わたし『この人…性格わるっ。だから娘にきつく言われるんちゃうん。』

おぼうさん登場の隙に退散。

90歳まで生きられて家族と暮らせて、3食あって毎日、散歩できて友人がいて、十分やん。

『あんたはいいね!!!長生きできて!!!』と言ってやろうか、と少しだけ思いましたが、意味がないので止めました。

また来ましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?