高齢期リハビリのココロエ44 ヒトはゴソゴソ動きたい
ただいま入院中です。再発がんの手術後6日目でして高齢者リハビリに関して思うことがありましたので、術後体験談と絡めながらまとめますね。よければご一読を。
まずは術後の身体動作の移り変わりをお伝えします。
1日目:何もできない
2日目:寝返り・スマホいじり
3日目:歩行器歩行(20m)起き上がり
〇環境調整必要期間
ここまではベッド周囲に歯ブラシやスマホ、本、スプーンなどの生活に最低限必要な物品を手の届く位置に置いておく必要がありました。
4日目:食事・何も持たずに歩き回れる・歯磨き・スマホで競馬
5日目:排せつ動作・散歩
6日目:パソコン・買い物・外に出る・ATM操作・更衣
〇動作自立期間
4日目の午後から飛躍的に行動範囲がひろがりました。やはり自由に歩行移動できることで活動の選択肢は増えます。ただし、身体に管が入っていると入浴はできません。
しかし5日目・6日目は洗面台で洗髪全介助してもらいました。本気出せばできるんですが。5日目は頑張ればできるズボン履きを手伝ってもらいました。
ここから要介護高齢者の生活とからめていきます。
これを要介護高齢者に置き換えると
A.『1~3日目』要介護度3~5
B.『4~6日目』要支援1~要介護2
といった感じでしょうか。
【A期間】
単純に自分で動けない『Aの期間』は『周囲に生活道具などを揃えてもらわないと、何もできません。間違いないです。どうでしょう、施設入所さんのベッドサイドや居室空間のご本人の手の届く範囲に本人の生活選択肢が増えるような物品や装置はあるでしょうか?環境を整えるだけで手足頭をベッド上でゴソゴソと使うことができます。ただ、何もない環境だと退屈が本当に苦痛でしたので、痛みをまぎらわすためにも何かしらベッド周囲に必要と感じました。
【B期間】
一方、Bの期間で注目する箇所があります。できるはずの『洗髪』や『更衣』を手伝ってもらったのです。
できることを手伝ってもらったわけは『職員さんがそう言ってくれてるし甘えようかな』『自分で洗うより楽だ』『2回目の洗髪は職員さんの仕事を奪ってはいけない』と思ったのです。
『おー、これはもしかしたら高齢者施設のご利用者が感じていることかもしれない!』と思いました。それらが反復されると『やってくれるの?』『楽だなー』という気持ちが強くなり甘んじてお世話を受けるかもしれない、お世話が日常になりかねないと思いました。反対に自分ですることが特別になりますので行動が生まれなくなるかもしれません。
わたしはどんどん身体が回復するので職員さんや自分の判断で自立を目指していきますが、これが老化がありハンデのある要介護高齢者だったら生活の中に『世話』がたくさん介入してくると思います。そしてそのうちにできるはずだったことができなくなる。
いかに要介護高齢者のケアが難しく、『できること』の見極めが大切かを痛感じました。
全期間を通してやはり『退屈』が痛みや不安を強めることは今回経験できました。要介護高齢者の点滴も『退屈』です。『環境調整』&『できることの見極め』非常に重要ですね。