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日本でも広がっている?アメリカで話題の『静かなる退職』

『静かなる退職』という言葉をご存知でしょうか?原文は「quiet quitting」と呼ばれている社会現象です。

『静かなる退職』の始まりはtiktok

『静かなる退職』という言葉が生まれたのは17秒の短い動画からでした。「価値観は変わった」という内容のメッセージが流れます。

なんの価値観が変わったのでしょうか。それは働き方です。アメリカではコロナ禍を経て人生の見直しが行われました。

2021年夏以降、大量退職現象が起こり、働き手不足が続くアメリカでは、ウエイターの時給を3000円に上げたり、鉄道職員の年収を1500万円に上げたりしても人が集まらないそうです。
日本人にしてみれば高給!と思うかもしれませんが、物価が高いアメリカではそれほどでもないとのこと。アメリカの大量退職現象を受けての人手不足の余波が『静かなる退職』だと言われています。

『静かなる退職』とは?

『静かなる退職』は、ざっくり言ってしまうとがむしゃらに働かないことを指します。アメリカなど欧米諸国ではワークライフバランスが重視されていて、自分の仕事さえ終われば定時に帰るというイメージが強く、日本の方ががむしゃらに馬鹿みたいに働いているイメージがありましたが、従来の欧米型の働き方よりさらに人生の充実に重きを置くような働き方になりました。

具体的には、
・新しいプロジェクトへの参加を断る
・仕事と関係ないミーティングには不参加
・絶対に定時

傾向としては35歳以下の若手社員に多く見られ、与えられた業務、最低限の仕事に抑えるのだとか。これは日本でも見られる傾向かもしれません。

『静かなる退職』がもたらすもの

日本の労働環境もアメリカくらいワークライフバランスを徹底してほしいものですが、『静かなる退職』による弊害も出ているとか。

アメリカの労働統計局によると、非農業部門の2022年四半期の生産性が前年同時期と比較して4.1%も減少しているという。『静かなる退職』は効率化を図って生産性を上げているわけではなく、最低限の仕事だけをこなすというスタイルですから確かに頷けます。

日本でも拡大中

先日あるパパ友と幼稚園で話をしました。エンジニアである彼は朝7時に出勤して早くても20時退勤、遅いと23時になる時もあるとか。
「年齢が年齢だし、責任ある立場にさせられちゃっているからどうしてもね」
と彼は笑っていましたが体重がここ1ヶ月で5kg落ちたとも言っており、どう見ても無理している様子。

その理由として若手社員の働き方を挙げていました。
「若い人は仕事が残っていても定時で帰ろうとするし、あんまり仕事に熱意を感じない。若いと次があるって思うのかな」

実は僕も『静かなる退職』をしている一人かもしれません。ただ、与えられた仕事は効率的にこなすし、プラスアルファの提案や仕事を作ったりもします。それは労働時間に暇にならないようにするため。仕事がないからぼーっとしているのでは窓際社員と同じ。僕の世代ではまだ「仕事は自分で作るもの」という意識を叩き込まれましたので、その違いはあるのかもしれません。かといって友人のように他の人の尻拭いを積極的にやって家族との時間を削ってまで残業しようとは思わないのです。

仕事をしているから生活が成り立つのも事実ですが、仕事をしなくても人生は成り立つし、どうしたら自分が幸せと感じるのかに重きを置いて考えるアメリカの『静かなる退職』は最先端の生き方、働き方なのかもしれません。

まとめ

もちろん、仕事をめちゃくちゃ頑張って稼いで、欲しいものを買えるだけ買って、早期リタイアしてという生き方も幸せな人生の1つの選択肢だと思います。一方で仕事はそこそこ、家族や趣味の時間をめちゃくちゃ大切にして仲間と一緒に楽しくゆるゆる生きるという幸せもあると思う。どちらも正解であり、対立する考え方ではありません。

ただコロナ禍以降、後者の価値観が広がっていった。資本主義的な考え方よりもどちらかというと社会主義的というか、もっと新しい価値観が生まれて拡散されている。ポスト資本主義と言われて久しいですが、いよいよ次のウェーブが来ているかもしれません。

ありがとうございます!これを励みに執筆活動頑張ります!