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意見が対立するグループ内で、穏便に自分の意見を通す方法

人が集まれば意見は割れます。
これは仕方のないことです。

気の合う仲間だけでつるんでいるならまだしも、
仕事のようにその場に居合わせた人たちでチームを組んで何か一つの目的に向かわなければいけないシチュエーションは多々あります。

下記記事にも書いたのですが、
先日、子どもの通う幼稚園で親主催の催しがありました。

今日はその裏側の揉め事を少々書いていきます。


突然「辞める」「やりたくない」

僕も参加する予定だったフラダンスグループでの出来事です。
本番2日前にリハーサルが行われました。
位置付けとしては流れの確認と調整。

もちろん、みんなそこまでやりこんでいたわけではなく
ダラダラとリハは進んでいったのですが、
フラダンスも例外なくだらっと踊って流れの確認をしました。

翌日、つまり本番前日の夕方でした。
LINEであるお母さんから
「もっと面白くするためにリンボーダンスするのはどう?」
という提案が投稿されました。
その裏側にあった話も実は聞こえてきていまして、
「別に私たちやらなくて良くない?辞める」
とリーダーに申告した人がいるとか。

ここからが波乱の幕開けでした。


情報の整理を行う

僕はちっともリンボーダンスなんてやりたくなかったし
そんなことをしても面白くなんてならないと確信していました。
かといって前日に突然辞めると言われて辞められたら
卒園前に関係性のシコリが残ってしまいます。
穏便に済ませられたらいいのにと思っていました。

そこでまずは現時点の情報の整理です。

・参加者は9名(女6男3)
・不満分子は3名
・男3は特に意見なし
・リーダー含む女3は真面目に踊りたい派
・不満を持っている人いるという話は耳にしていた
・不満をLINEで伝えてきた1名は代弁者であり、内容の端々から気を使っている様子が伝わる
・不満チームのリーダーは見当がついている
・リーダーは元々真面目な人だが、それが仇となって周囲と軋轢を起こしたこともある

この状況の中、真面目に踊りたい派の誰かから
反対の意見が出るとおそらく揉める。
リーダーが意見を述べてもおそらく揉める。
ぐちゃぐちゃになって当日を迎える。

ここで僕が下した判断は、
僕の思う方向に動かすために自分が動こう
でした。


気持ちの裏側を読み取る

そもそも「辞めたい」と言った人たちは
どうしてそのような発言をしたのかを考えてみました。

「辞めたい」「やりたくない」は表面的な部分であって
そう思った理由があるはずです。

僕の仮説はこうでした。
「練習していないから踊れないし恥ずかしい」
「下手に踊るくらいならお笑いに走りたい」

だからやりたくないと言うのだ、と。

表面に現れたものは本音を隠すためのダミー。
そして、そのダミーに付き合っても
望んだ結果になることはありません。

本音の部分を掬い取りながら
尚かつ相手のメンツも立ててあげなければいけません。


穏やかな着地点は?

僕が望んだ着地点は

・参加者をできるだけ減らさず
・メンバー間で揉めることなく
・余計な趣向(リンボー)を凝らさないで
・フラダンスを普通に踊りながら
・観客に楽しんでもらうこと

以上のポイントでした。

①    LINEに最初に返信する

それを叶えるためにまずしたことは
僕がLINEグループの口火を切ることでした。
これは他の人が反対でも賛同でも
意見を出した時点で火種が大きくなると感じていました。

普段の関係性から言って
一番枠外にいる僕が言い出す方が大事にならない
そう思いました。

②    意思を乗せる

ポイントは返信内容です。
そこに確実に含めなければならないこと
それは意見が違うよという意思。
それもあからさまにカドが立つような言い方をしてはいけません。
やんわりと、それとなく伝えることが重要です。

③    ひとまず共感する

ただ反対を唱えるだけなら誰にでもできます。
今回は脱落者を最小限に抑えたかったので
共感を挟んでみました。

そんなこと言う気持ちもわかるよ。

という共感です。
共感があるだけで対立構造になりづらくなります。

④    代案を出す

繰り返しになりますが
ただ反対を唱えるだけなら誰にでもできます。

大事なのは課題を解決するための代案があるかどうか。
今回の課題の本質は辞める辞めないではなく、
「練習していないから踊れないし恥ずかしい」
「下手に踊るくらいならお笑いに走りたい」
ということ。

それなら相手のアイディアよりも
もっと簡単にできて
もっと自然で
それいいじゃん!って思わせる代案を出せばいい。

さらに言うなれば、
そのお母さんに代案の一部の役割をお願いして
巻き込んじゃおう
という考え。

普通に踊るのが嫌なんだったら
演出の一部を担ってもらった方が
本人も気が楽になるはずだから。

⑤    下準備をして流れを掴む

LINEグループもそうですが、
賛否が均衡している話し合いの決定機は
流れを引き寄せることができるかどうかです。

そこで、事前にこちらの意見に賛同してくれそうな人に連絡をとり、
意見を聞いておきます。

ポイントはこちらの意見を押し付けないこと。
あくまで相手の話を聞くだけ。
「それはちょっとね」
という反発心さえ引き出せれば
それに同意するだけ
です。

その上でLINEを投稿します。

今回は特別事前にネゴってはいなかったのですが
リーダー格のお母さんの性格と意思を
ある程度想定できていたので
僕の投稿に対して彼女は
以心伝心でしっかりと乗っかってきてくれました。

さらに他の数名も続いてくれたら
チェックメイト!

さあ結果は・・・

反対派3名のうち、
交渉窓口になっていた
一番意志が強くないお母さんから
個別でLINEが届き、
やんわりと裏事情を教えてもらいました。

そうこうしているうちに
反対派のリーダー格のお母さんが
「いいね!それ、賛成」
とまさかの賛同LINEが。
演出に巻き込んだのが功を奏した形です。

結局反対派3名のうち1名の脱落だけで
無事本番を迎えることができました。

本番でも観客に楽しんでもらえたし、
参加者もみんなやって良かったって言っていたし、
大成功だったと思います。

人が集まればトラブルはつきもの。
トラブルを解決する手法・スキルこそが
政治力なのだ
と僕は思います。

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