心の炎が、強く燃えている人
この春、ビックリな知らせを受けた。
それは
水戸子どもミュージカルスクールに通ってくれていたSちゃんが
「宝塚音楽学校に合格した」
と、いう知らせ。
水戸子どもミュージカルスクールは、プロを育てるためのレッスンではなく、人生の土台となる様々な「歓び」を体験するスクール。
Sちゃんは自分の意思を持って、ご家族と宝塚受験のスクールのサポートのもと、たくさんの努力を経て、この春合格を手にした。
一つ前の長い長い記事にも書いたけれど、水戸子どもミュージカルスクールでは、コロナの影響で発表公演が中止になったことがある。
この年に受講していたみんなは、本当に辛い経験をしたんだと思うと、今でも胸が痛む。
Sちゃんも、この年の受講生だった。
彼女は、中止になった発表公演の時、主役だった。
この年の受講生は誰一人例外なくそうだったと思うけど、彼女も相当なショックを受けていたと想像できる。
この年が中学2年生だったSちゃんは、
翌年のスクールに継続することもなかったけれども、
「どうしているかな〜?」
と、頭の中をふとよぎることがあった。
Sちゃんは、大人・子供に関わらず、今まで出会った人の中で、
飛び抜けて
【心の炎が、強く燃えている人】
という印象。
スタイルも抜群だった彼女を見ては
「この子はタカラヅカだな〜」
と、心の中で思っていたのを思い出す。
どんなに上手でも、どんなに容姿端麗でも、
彼女のような心の炎が強くなければ、こうは思わなかったと思う。
長年、ミュージカルのお仕事に携わっていて、たくさんの人に出逢うけれど、
こういった芸事に関わる時に何よりも大切なのは、
「いのちが持つ情熱」なのではないかな?と感じている。
私が彼女のタカラヅカ合格を知って嬉しかったのは、
発表公演中止のショックを受けた時の大きな傷を抱えながらも、その心の炎が消えることなく、一歩踏み出したことをを知れたから。
Sちゃんの頑張りを知れたおかげで、
Sちゃんだけでなく、
みんなも、きっと、どこかで、自分自身の道を一歩一歩しっかりと歩んでいるだろう!
と、いう希望が持てた。
私自身、本当に大きな無力感と向き合った出来事だったので、
その時を共に過ごしたみんなのことはいつも気にかかっていた。
そのみんなに対して、
心配ではく、希望のエネルギーで見つめられるようになったのは、
私の中の大きな変化だ。
私が歌を教え始めて、
どんなレッスンをしていきたいのか?
自分に問いを持ったことがある。
その時の答えは、
「劇団四季に受かるとか受からないとか関係なく、自分の人生が豊かだと感じて、自分の人生を生きる人を育てたい」
と、いうことだった。
コロナで公演が中止になった年の受講生たちは、
その現実を糧にして、自分の人生をしっかりと生きている。
そう思うと、自分の願いはもうすでに叶っているのだ!
かれこれ、10年以上も前に湧いてきた自分自身の願い。
それは、今でも変わることなく続いていることで
私にとってとても大切な願いであることも再認識できた。
そして、それは、誰かを育てるだけでなく、
自分自身が人生を歩む中で大切な願いなんだろうな。
Sちゃんの宝塚合格はとても嬉しいし、
全力で応援することは決めている。
でも、たとえ、その現実がなかったとしても、
私はSちゃんの人生を全力で応援するし、
私が出会ったたくさんの教え子ちゃんたちがどんな人生を歩もうと、
全力で応援するし、みんな私の人生を豊かにしてくれる自慢の生徒ちゃんだ。
私は、たくさんのことを伝えているけれど、みんなからたくさんのことも受け取っている。
とっても豊かな人生だと、心から感じられている。
これからも、
私の体験から感じたことや、
たくさんの知恵を分かち合いながら、
たくさんのことを受け取って、
私は自分の人生の豊かさを、存分に感じながら歩んでいきたい。
今日、心からそう思った。
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