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猫被り系パワハラ上司を打ち倒せ4

※この物語で主人公が行うパワハラ上司撃退法は実際の論文等の実験を参考にしたものです。
ですので、実践できるかもしれません。
具体的な点は、最後にまとめとして書きます。

「この製品はね、耐久性に優れててね、A社の素材を使った画期的なものなんだよ。ま、私のアイデアなんだがね。いいと思わないかね?」
会議で課長の自慢話が始まった。この時を待っていた。あの男が上機嫌にうんちくを語って、他の社員の苦笑いが始まった時がチャンスだ。
「課長、その製品の説明、事前に社内メールで確認しました。おそらく皆さんも確認済みだと思われます。ね、みなさん?」
一瞬にして場が静まりかえった。課長も他の社員も唖然としている。ここで怯まず、続けた。
「この製品の素材、課長はA社の素材を選ばれたんですよね?」
「そうだ。」
「確かに、この素材は耐久性に優れたものです。しかし、B社やC社の素材を使うことは検討されなかったんですか?」
「え…」
「B社やC社もA社の素材と非常に似た製品を取り扱ってます。特に、C社の素材はA社の半値で仕入れることができます。その点はお考えにならなかったのですか?」
「…」
課長が鬼の形相で俺を見てい…ない?目線は中田の方に向いている。そうか、あいつやりやがったな。
そして、中田はボヤくように、こう切り出した。
「確かに、A社の素材を使うと長期的に見て、予算を増額しなければならないな…」
そして、その発言に加勢するように言った。
「この製品、他にも不安要素がいくつかあります。しかし、試してみる価値はあると思っています。そのためにもなるべくローコストで試すべきです。皆さんもそう思いませんか?」
数名の社員が首を縦に振った。
いいぞ、流れはこっちにきている。
少し間をおいて、声を低くしてこう言った。
「そもそもこの程度のこと、調べればすぐにわかることです。この企画、本当に課長がお考えになったのですか?」
社長の目が泳ぎ始めた。
「ああ、それは…」
中田が割って入った。
「それは私の企画書です。まだ作成中でしたが、半ば強引に課長に奪われてしまって…
そしたらあたかも自分のアイデアのようにお話になるので、驚きました。先程のご指摘ですが、私の調査不足でした。皆さん、申し訳ございません。」
この中田の発言を機に会議の空気が変わった。今までだんまりを決め込んでいたものが、発言するようになった。彼らも課長に何らかの不満を持っていたのだろう。
そして、課長は一切発言をしなかった。
え、後から報復が怖い?いやいや、あの会議で俺たちがマイノリティーになったのだ。
あの会議の話は瞬く間に会社中に広まった。
今となっては、課長は会社に居づらいだろう。

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