見出し画像

来世のはなし

将来のことを考えてもあまり希望がもてないので、その先の来世について考えてみた。たまにはくだらない話を書いてみよう。初めてnoteに投稿した“餃子(の皮)のはなし”並のくだらない話。

******

来世で生まれ変わったら、私はポメラニアンになりたい。

なぜポメラニアンなのか。理由は至極単純だ。可愛いから、ただそれだけである。

ポメラニアンという犬種はずるい。仔犬が可愛いのはいうまでもないが、大きくなってもその可愛さは変わらない。なんでも動物の赤ちゃんは可愛いものだが、成長するにつれて可愛いともてはやされることがなくなってしまう個体が出てくる。人間が一番わかりやすい。赤ちゃんはみんな等しく可愛がってもらえるのに、成長してしばらくするとブスとか美人とかイケメンとかルッキズムの荒波に勝手に放り出される。ポメラニアンにはそんなことはない。だってみんな可愛いのだから。

そもそもの話、ポメラニアンという響きから可愛い。ペットの飼い主は、自分のペットに名前をつけるものだが、下手に変な名前をつけられるよりはそのままポメラニアンでいいとすら思う。ポメラニアンの元となる犬種がドイツ北東部からポーランド北西部にまたがるポメラニア地方に多かったことからポメラニアンと呼ばれるようになったらしいが、これはもう運命としか思えない。その名前になるべくしてそこに生まれたようなものだ。ガリシアンとかゲルマニアンとかじゃなくてよかったし、もしもポメラニアンという犬種の見た目がドーベルマンやシベリアンハスキーのような強そうな見た目だったら(それはそれでギャップがたまらないが)私はここまで惹かれていなかっただろう。

犬は人間のように学校で勉強したり会社で仕事をしたりしなくていい。勉強ができなかったり仕事ができなかったりで社会的存在価値がなくなることもない。恋人がいなくたって、結婚してなくたって、別にいい。ただ生きているだけでいい。身の回りの世話は人間がしてくれるし、たまに芸を見せようものならどんなに些細なことでも人間が喜んで褒めてくれる。ほかと比べて無理に頑張る必要もないし、そもそもほかと比べられるようなことも少ない。大半の飼い主は皆、うちの子が一番可愛いと思っている。人間の子どもがするように、親に愛されるために良い成績をとったりいい子のふりをしたり、そんなことはせずとも可愛がってもらえる。犬がうらやましい。

生まれてから死ぬまでずっと最高に可愛くて、勉強とか仕事とか人間関係とか複雑なことに悩む必要もなくて、ただ存在するだけでいい。もし来世があるのならば、私はポメラニアンになりたい。

※ここまでポメラニアンについて語っておいてなんだが、私はポメラニアンを飼っていないし、そもそも犬を飼っていない。むしろ今飼いたいのは猫である。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?