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フーコーが好きだと気づいたんだ そんなこと言ったら笑うカナ?

今回は、アンリ・ベルクソン、ロラン・バルト、ジル・ドゥルーズと続いた、ぼくが、哲学入門したシリーズの、おそらく、最終回となるであろう、ミシェル・フーコーの話をしよう。フーコーについては、書くのを渋っていたが、フーコーは、ロラン・バルトと同じく、ゲイの哲学者である。バルト編にスキをいただいた読者の皆さんの中で、ゲイの方もいらっしゃったので、奮起し、書こうと思う所存である。

 

フーコーの手前から書くと、大学には、親の勧めで経済学部に入った。ぼくは、文学が好きだったのだが、不遜にも文学はもう終わっている、と思っていたので、(実際、現代文学などは知らなかった)親に従った。高校の政経の授業で、本を選んで、読書感想文を書け、と言われて、ノーベル経済学賞受賞者である、ジョゼフ・スティグリッツの、「世界を不幸にしたグローバリズムの正体」を読んだら、滅法面白かったので、経済学部でも、「知的興奮のある授業が受けられるんだろうなー」と思っていた。しかし、経済学の授業は、ぼくのそういった期待に反するものであった。映画サークルに入ったら、入ったで、議論の中で、社会学者の宮台真司読めだとか、哲学者の東浩紀読めだとか言われるので、人に流されて、或いは、知的興奮を求めて、ぼくはフーコーを読む哲学ゼミに入ったのだった。今から考えると、ぼくが彼らに、スティグリッツ読めと言っても良かったのだろうが...。

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一年の時の、ゼミは決められていて、宮崎憲治先生のゼミで、飯田泰之の「経済学思考の技術」を輪読していた。ちなみに「経済学思考の技術」はちょうど今も読み返している名著である。宮崎先生は、ぼくに目をかけて下さっていて、「君は、社会学か哲学の方が、向いているんじゃないか?」などと助言を下さった。またゼミのスポーツ大会で、ぼくの得意なサッカーや野球をやって活躍できたのも、良い思い出である。哲学ゼミに入れていただいたときは、宮崎先生から餞別に、「喪男の哲学史」とゆう、哲学書を勧めていただいた。ちなみに、哲学ゼミの、後藤浩子先生からも、「モテない男」とゆう、新書をお貸しいただいたほど、ぼくは、モテない。

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後藤先生は、ぼくの一年次に、「性と文化」とゆう講座を他の先生とのリレー形式で担当されていた。後藤先生は、エミリー・ブロンテの不朽の名作恋愛小説、「嵐が丘」のヒロイン、キャサリンを思わせる、勝ち気な美女であられた。アラフィフにしてその美貌はスゴいなー、と思うわけですが。ぼくは、中高と男子校だったため、女性の先生に憧れていて、他の女性の先生と比較して、競争倍率の低い後藤ゼミに入ったのだった。フーコーを読むゼミが不人気であるとは、ひどい話ではある。後藤先生と、宮台、東を勧めてきた、映画サークルで文哲の進士靖悦さんとを引き合わせたい、とは思っていた。進士さんは、哲学に関して該博な知識を持っておられ、ニーチェがお好きなだけあって、激しい気性も持ち合わせながら、いつも人のことを思いやる優しさもあって、モテないぼくとは比較にならない端正な顔立ちをされた御仁である。進士さんは、学生ドキュメンタリーを撮られていて、その講演者を後藤先生に仲介していただいた。当時、浅学の輩の我々の間では無名だった、映画批評家の廣瀬純先生をお呼びする運びとなった。その関係で、後藤先生と進士さんをお引き合わせすることができた。ゼミのフーコー読みでは、「監獄の誕生 -監視と処罰」にて、ダミヤンなる人物が見せしめの処刑にて、凄惨な殺され方をする描写で、女性陣が性的に興奮...否、知的に興奮するのが見て取れた。女性が、残虐描写を悦ぶ、とゆうのは、特殊漫画大統領、根本敬先生の著書からも、窺うことができる。「村田藤吉がイジめられるとこ、特に内蔵とかを引っ張り出される所で何回もオナニーしちゃった」(根本敬著、「特殊まんが前衛の道」)。なお、根本先生のことは、映画サークルの新歓企画、「童貞。をプロデュース」上映会のトークイベントで、司会を務めた時に、ゲストにお呼びさせていただいた。その後、映画サークル内で、その看板(童貞千摺りたろう)を背負うこととなり、今は無き、渋谷アップリンクで毎月開校されていた「映像夜間中学」などの根本先生のイベントにも顔を出し、「大学」のゼミはすっぽかしていた。しかしながら、後年、精神科医の香山リカ氏の、「ヘイト・悪趣味・サブカルチャー ― 根本敬論」にて次の言葉と出会うことになる。「精神科医としての私が真に尊敬しているのは、フランスの思想家のミシェル・フーコーと、日本のマンガ家、根本敬の二人です(著作名で言えば、『狂気の歴史』と『亀の頭のスープ』でしょうか)」

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結局、女じゃなかった、お釈迦様の手のひらの上で踊っていたのである。その後、話したことがなかった中国語の女の先生から、「『童貞。をプロデュース』、見たよ!」と言われたこともあった。


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