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シニアのデジタル事情 - 1周回ってらくらくホンな件

去年の年始は高校生のプログラミングにお付き合いしましたが、今年の年始は親戚周りをしまして、ひるがえってシニア世代のパソコンやらスマホのお困りごとやらを解決してきましたw 今回特に格闘したのは「らくらくホン」。おかげでらくらくホンだいぶ詳しくなりましたw

らくらくホンっていうのは聞いたことあると思いますが、シニア向けにUI(画面レイアウト)が改良されたAndroid系のスマホのことです。表面だけをガラケーっぽいデザインにして、やたら文字を大きくして、レイアウトぶち壊しの ”改悪スマホ” だとばかり思っていたのですが、、、意外とそうでもないかもしれないというお話と、その他もろもろ思ったこと。

画面タップが違う

通常のスマホとらくらくホンの決定的な違いは、画面タッチパネルの感度ですね。タッチしただけでは反応しない仕様になっていて、もう一弾押しこむとはじめてタップしたと認識してくれます。iPhoneに昔あった3Dタッチみたいな感覚です。

(ちなみに、われわれ普通のスマホ世代がらくらくホンを使うとめっちゃ使いにくいです。タップしたつもりなのにタップできてなかったりするので、誤操作しまくりますwww)

親戚のシニア世代が使っているのをみていて気づいたんですが、誤操作が極端に少ないんですよ。うちの母は普段Androidスマホの文字を大きくして使っているんですが、しょっちゅうタップしちゃいけないところを触って誤操作しまくってるんです。横で見ていると口出ししたくなるのをぐっとこらえてwww もっかい前画面からやってみなよ。。。ってのを繰り返します。ところが、らくらくホンの操作ではこの画面タップの誤操作が極端に少ない。これ、やっぱり昭和世代のサガなんですかね。アナログボタンをグィと押す感覚が必要。ボタンは「押す」もの。押しこまないと気がすまないんです。

らくらくホンはそこんとこよくわかってらっしゃるw

戻るボタンが常駐する

昔はお友だちのお父さんの書斎なんかにこんなオーディオ機器とかあったじゃないですか?昭和世代のお父さんお母さんはこういうボタンが無限についているオーディオ機器をらくらく使いこなしていた世代なんですよ!複雑な機器操作は令和の若者よりよっぽど手慣れている。

ただ、こういったハードウェア機器は、当然ボタンの位置が固定で絶対に変わらないじゃないですか。わたしは前からよく思っているんですが、シニア世代にとって、ボタンの配置が「動的に変わる」ってのも苦手なんじゃないか。「実行」ボタンが上にあったり、下にあったり、非表示になったり、色が変わったりすると、すぐに見失います。

だからね、自動券売機なんかでも、タッチパネルで ”わかりやすく” 画面をステップ by ステップで表示してあげることが重要なのではなく、たとえ複雑になったとしてもボタンを全部表示して「表示位置が変わらない」ということが重要ではないか説。← わたしが昔から勝手に唱えている説w

世代によって ”わかりやすさ” は異なるのでは?

この点もらくらくホンはよく抑えている。トップ画面はご存知のとおりボタン位置が全て固定です。加えて、わたしがシニア世代のスマホをいじるのを見ていてよく思うのは「戻る」ボタンを恐ろしく使いまくるという事実。ホームボタンを押せば、最初に戻るんだよとどれだけ教えても、「あ、間違えた!」といって、「戻る」ボタンを連打。。。ホームに戻りたかったら、「戻る」ボタン延々に連打するんだから、もう、むしろ「戻る」ボタンだけあればいいんじゃないかと思うほど。

らくらくホンは、画面の左下に「戻る」ボタンが「常に固定表示」 されている親切っぷり。これが親切なのかよくわからないけど、ハタから操作を見る限り、あぁ、痒いところに手が届いているなと感心したw

シンプルな従量課金

わたしはここ最近はずっと格安SIMを使っているから3大キャリアの基本契約がどういった感じになっているのかよく知らないのですが、やっぱりシニア世代はドコモ、ソフトバンク、KDDIを使っている率が高いんですかね。今回設定を見せてもらったのは、ドコモユーザでした。

料金体系は、4500〜7000円くらいの枠のなかで、使ったデータ量に応じで段階的に課金されるようなものになっていた。ほとんどのシニアはそういう料金体系になっているということ自体たぶん把握していないんだと思うけど。。。間違ってデータ通信しまくっても上限が決まっていて7000円を超えることがないという設計になっているのは、家族としては安心だなと思った。

オプションがつきまくっている

この基本契約に対して、やっぱり、、、想像した通り、オプション契約が結構ついています。電話かけ放題とか、はじめの5分間まではいくらかけても無料とかそういったパック(シニア世代はやっぱり、結局最後は電話をかけるのでこのオプションは必須だと思うけど。。)があって、それにあんしんなんちゃらパック、遠隔サポートパック、その他にも、お支払いにお得だと言われてdカードの年間サービス料だとか、、、いろんなオプションやサービスが付いてます。これはある程度しかたのないことなのか、でもわからずに契約しているというのは、なんとも言い難いもやもやが残りますね。

なので、いずれにしても基本料金に加えて1000〜1500円くらいがプラスで乗っかってくる感じでしょうか。

大量のメルマガと広告 - 意味のない通知

それより気になったのは、大量のメルマガと広告の多さですね。スマホのトップ画面には通知が大量に来ていて、メールにも大量のメルマガなのかサービス説明みたいなものが大量に送られてくる。

するとね、数時間に一回くらいスマホがビービーなるわけですよ。これはうちの母も同様でしたけども、大半が広告だからスマホの音がなっても「またいつもの広告だからいいのよ」とか、それに紛れてしまって「なんの通知が鳴っているのかわからない」なんていった風で、スマホを覗こうともしない。というか、あのけたたましいスマホの音がなったことにすら気づいていないんじゃないかというくらい。もう慣れちゃって感覚が鈍化している。

メールチェックをするのをハタからみていると、結局メールをチェックしているのか、広告をクリックしてWebブラウザに遷移しているかの違いも微妙にわかってない。不要なメールを消そうとして、メールをクリックしてWebに遷移して、とつぜんインターフェースが変わって混乱。「戻る」ボタン連打。。。みたいなことの繰り返しですよ。。。まったくもって広告の意味をなしていないし、むしろ害悪でしかない。これが現代社会の洗練された ”マーケティング” なのだろうかと自分の仕事を呪いたくなった。。。

目についた不要な通知設定は全てOFF。広告やメルマガについても、明らかに必要なさそうなものは片っ端からオプトアウト。これだけで、だいぶ使いやすくなったのではないだろうか。。。

シニアに対してオプションがつきまくって多少多く課金させてしまうのは、その分いろいろ手間もかけているだろうから仕方がないとも思う。親戚や家族ですら説明に手こずるのだから。だけど、どうせ課金して多くお金を取るのであれば、せめて広告を非表示にしてあげるとか、余計なメルマガを送らないとか、デザインなんかに過度こだわるのではなく、そういう使い勝手や習慣を見直す方向で活かすことはできないものだろうか。。。

これだけ課金してくれているのだから(われわれの2〜3倍近い料金を毎月払っている。。。)それだけで、デジタルの世界は劇的に優しくなる。




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