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即戦力と湿った個性

りなるさんは即戦力としてぴったりハマる職場には行っちゃダメですよ?

こないだある年長の社長さんと面談していて、ふいに言われた言葉。ぴったりハマるならいいことじゃない?なのに、行かないほうがいいとは、ハテどういう意味だろうと、と思わず聞き返してしまいました。

即戦力となる人材であろうとすることは素晴らしいけれど、即戦力が求められる職場であってそこに即ハマるってことは、つまりスキルさえマッチすれば誰でもいいってことの裏返しでもある。仕事の本質って本来はそんな無機質なもんじゃない。だから、独自の感性や想いを持った人であるほど、それを活かすには時間をかけて育んだ想いだったり、ひょんな雑談から自然派生した活動だったり、そういった関係性から自ずとハマる場所があるはずなんだよ、と。そんな風におっしゃっていた。

わたし個人的には「自分にしかできない仕事」なんて世の中にはそうないと思っていて、むしろ優れた職場に行けばいくほど、自分でなくとも回る「しくみ」を作ろうとします。ただ、その社長さんの言葉はそういう風な機能的な話ともちょっと違うように思ったのです。

仕事の本質って本来はそんな無機質なもんじゃない。

それは、スキルの話でも優秀な人材の話でもなく、人間の活動の本質の話だと思ったのです。プログラムができるとか、売上を伸ばすマーケティング経験が豊富だとかじゃなく、いっしょに働いてる人が「好き」ってことであったり、地域に愛情をもってたり、何かを求める理念や想いだったり、人には必ずそういう湿った空気や温度がついてまわります。

職場を無機質なスキルの集まりとして考えるのではなく、より湿り気をもった有機的な「つながり」として捉えられるようになると、たしかにそこにはわたしとあなたが紡ぐ独自のピースがみえてくる気がします。そんな風に想いを巡らすとなんだか胸が少し熱くなってくる。たぶんそれは、みなさんの身の回りの生活や仕事でも同じことが言えるのじゃないかと思うのです。

りなる



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