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言葉のない世界へ

「数十年ぶりの海外への旅」

実に数十年ぶりの海外旅行。

学生時代に団体で行った研修旅行以来。
その時の思い出は、あまり良いものではなく、旅行中にはずっと「早く日本に帰りたい」と思っていました。

それ以来、私は海外への旅行に対する苦手意識を20年以上抱き続け、
海外へ行くことも、行きたいと思うこともありませんでした…

しかし、自分の内にある「絶対に無理」という思い込みに挑戦する決断をしたのです。

挑戦する意欲が芽生え、変わりたいという気持ちが募り、新しい人生の旅への準備を進めました。

「新たな旅のスタート」

初めてのパリ。
小学生の頃、新幹線に乗っておばあちゃんの家に行くような新鮮な気持ちで、心は興奮に包まれました。

友人からの助言を受け、フランスでは挨拶が大切だと知りました。
お店に入るときは「Bonjour」、夕方になると「bonsoir」、お店を出るときは「merci」と感謝の意を表す。
何も買わなくても大丈夫なのだそうです。

「心の通じるコミュニケーション」

パリではルーブル美術館やライオンキングのショーを楽しんだり、
メトロに乗ってひとりで街を歩く時間がありました。

当初、心配していた言葉の壁による不安は感じませんでした。

日本では言葉が通じないとコミュニケーションが難しいと思っていましたが、こちらの世界ではシンプルな「こんにちは」と「ありがとう」が、心温まる優しさに満ちていました。

そして不思議なことに、言葉は分からなくても意図をキャッチすることができたのです。

パリの街では非言語的なコミュニケーションで、ミッションを達成できる超能力者になれたのです。

「Bonjourという魔法の言葉」

Bonjourと言えば、誰もが笑顔で返してくれました。
挨拶はまるで魔法のようで、ことばが通じなくても、心が通じ合うことに気づかされました。

「他人への思いやり」

機内で隣に座ったフランスのマダム。
片側のシートベルトが取れなくて困っていました。
私は彼女の麻痺した腕に気付いた瞬間、優しさと思いやりの気持ちを込めて彼女の腕を包みました。
その時、彼女は驚いたような瞳で大きな感謝の気持ちを示してくれました。

フランスに到着した時、彼女は英語で「サポートしてくれて本当にありがとう」と言ってくれました。
私も「thank you」と一言で、彼女への感謝の想い全てを伝えたのです。

この旅を通じて、言葉だけではない他人への感謝を伝える大切さを学びました。
自分も持ちうるものを惜しみなく提供し、他人の困難に寄り添うことが、人間関係を深める一つの鍵であることを実感しました。

ベストを尽くすことは、何かを追い求める努力ではなく、今の自分がベストで、それを持ってやりきるということを学んだのです。

パリの美しい街を着物で散歩していても、目立つことはありません。
なぜなら、パリの人々は自分自身のことに興味があり、他人のことを気にしないからです。

この自由な雰囲気が、私の心を解放し新しい概念へと向かわせました。

この経験から学んだ大切なことは、自分らしさを大切にすること。
他人の期待や評価に縛られず、自分の心の声に従って、好きなことを追求することが、最高の自己表現なのかもしれません。

他人の目を気にせず、自分の内なる好奇心や情熱に従って行動することが、人生における至福の贅沢な瞬間なのです。

自分らしさを大切にし、新しい経験を楽しんでいきましょう。

私に新たな視点を提供し、未知の冒険への勇気を与えてくれた美しいパリに心から感謝と愛の気持ちを送ります。

merci.

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