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天才論 第2版

本稿は2024年1月4日に公開した天才論の改訂版になる。改めて読み返してみて、天才論の前回のnoteは色々と不十分なところがあると感じ、補強して書き直すことにした。以前は4人の天才を紹介したが、今回は存命中の科学者もいれて2人追加している。私が考える天才とはどういう存在で、またどういうところが非凡なのか。特に分子生物学者としての視点から天才や高知能について考えていることを述べていきたいと思う。本稿は500円で全て読めるが、途中までは無料とする。


1. 天才の定義

まず一般的な文献などにおける天才の定義を引用しておさらいする。

天才(てんさい)は、天性の才能、生まれつき備わった優れた才能(生まれつき優れた才能を備えた人物)のことである。天才は、人の努力では至らないレベルの才能を秘めた人物を指す。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E6%89%8D
Wikipedia
「天才」

てんさい【天才】 天から与えられた才能。生まれつきそなわっている人並みはずれてすぐれた才能。また、そういう才能をもった人。

https://sakura-paris.org/dict/%E5%AD%A6%E7%A0%94%E5%9B%BD%E8%AA%9E%E5%A4%A7%E8%BE%9E%E5%85%B8/content/6261_1194
学研国語大辞典

おおざっぱであるが、上に2つの天才に関する定義を述べた。つまり先天的に他の人には見られない卓越した優れた才能(いわゆる非凡な才能)を持っている人物の事を指すらしい。天才と呼ばれる人は様々な分野に存在する。非凡な存在ではあるが天才もそれなりに多数いて全員挙げ切ることなど不可能であるが、知名度などを考えると最も有名な天才といえば、アインシュタインやニュートンであろう。天才は研究や科学などの分野にとどまることもなく、例えばスポーツで言えば短距離走者(100m走の世界記録9秒58)のウサイン・ボルトや、野球選手の大谷翔平なども天才として挙がるかもしれない。ミュージシャンだとこれまた無数にいるがベートーベンやモーツァルトなどが挙がりうる。

しかし天才とは一体なんなのか。なぜ天才なのか。天才とはどういう特徴があるのか。そして天才は遺伝的にどういう性質がありそうなのか。そういう好奇心は尽きないが、イマイチよく分からない存在である。そこで今回は主に、知能型というか、主に数理系に優れた天才について考察したいと思う。まずアインシュタインなど分かりやすく非凡な成果を出して天才とされる学者を紹介し、その卓越した業績などを科学のバックグラウンドがない読者でもつかみやすいように平易に説明したいと思う。次に、分子生物学者として高知能に関わる遺伝子の探求ついての話をしたいと思う。そのあたりで実際の研究実施例を紹介し、そして展望について述べていく。

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