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賃貸住宅トラブルにならないために、、 -貸主と借主の義務と負担-知ることでトラブルは減らせる

こんにちは、Libroソリューション倶楽部です。

自分の義務を果たさず権利ばかりを主張している人
ちょっと苦手です。あまり付き合いたくないですね。

権利は主張すべきですが、その前に自分の義務をしっかり理解しておく必要がありますね。

貸主・借主が双方の権利・義務と負担を理解していれば、賃貸住宅トラブルはかなり減っていくのではないでしょうか。


わかり難い語句があれば、用語の解説をご覧ください。


【貸主の義務】

1.目的物を使用収益させる義務

貸主は、借主が使用収益ができるように対処する義務があります。

例えば、騒音問題が発生した場合、貸主は問題を解決しなければなりません。
現実には、音の感じ方に個人差があり程度問題によりますが、騒音
問題は解決が難しいですよね。
貸主が対処できなかった場合で、受忍限度を超えた場合、借主は契約を解除することになるでしょうね。


2.修繕義務

貸主は、借主が使用収益ができるように目的物を修繕する義務があります。

貸主には部屋や設備の修繕義務はありますが、全てではなく借主負担の修繕もありますので、理解する必要がありますね。


3.必要費の返還義務

必要費とは、目的物の使用収益をするために維持・保存するために必要な費用のことをいいます。
必要費は原則として貸主の負担ですが、例えば、トイレが故障した場合に、貸主に通知しても修理してもららえない、汚水が溢れているなどの急迫の事情がある時に、貸主は借主が負担した修理費用を返還しなければなりません。


4.有益費の返還義務

有益費とは、目的物の価値を客観的に増加させるために支出された費用のことをいいます。
例えば、トイレを温水洗浄型便座に変更した場合などの費用が有益費に該当すると思います。
造作買取請求権の場合とは異なり、有益費を支出することについて貸主の同意を得ていることは要件ではありません


5.敷金の返還義務

敷金は家賃などを担保した預り金といえますので、家賃の未払い金や原状回復費用を差し引いた金額を返還しなければなりません。
敷金の返還と賃借物の明け渡しは、本来同時履行なんでしょうが、価値の差が大きいので、賃借物の明け渡し後に返還すればよいとされています。



【借主の義務】

1.賃料支払義務

借主は契約で決められた賃料を、契約で決められた期限までに支払わなければなりません。
家賃の不払いが継続すると、賃貸借契約を解除されてしまうこともあります。


2.善管注意義務

借主は,目的物を善良なる管理者としての注意義務(善管注意義務)をもって保管しなければならないものとされています。
例えば、結露によりカビが発生した場合に(ここまではOK)、放置してひどくなったら善管注意義務違反となる可能性があります。


3.用法遵守義務

借主は,賃貸借契約や契約で定められた使用方法で使用収益しなければならない義務を負います。
ペット飼育禁止やピアノ禁止などが契約で定められている場合は、これらの禁止事項を遵守しなければなりませんね。


4.賃借権の譲渡、転貸借の禁止

借主は貸主の承諾がなく、賃借権の譲渡・転貸をしてはならない義務を負います。


5.目的物返還義務

賃貸借契約が終了した場合,借主は,その目的物を原状回復して貸主に返還する義務を負います。
原状回復の負担割合については、契約及び当事者間の合意によりますが基準が明確ではないため、トラブルの原因になることが多いですね。



【貸主と借主の負担】

賃貸住宅トラブルの原因になることが多い原状回復の一般的な負担区分の例について整理してみます。

借主・貸主の負担区分の一般例は、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(国土交通省)の他、「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」(東京都)、「賃貸住宅の原状回復トラブルを防止するために」(大阪府)にわかりやすく掲載されています。

借主の負担単位につては、一般的に次のように考えられますね。
・可能な限り、毀損等の部分に限定したもの
・補修工事の施工が可能な最小単位が基本


【ガイドラインと特約】

これらの負担区分は一般的な基準を示したものですので、法的な拘束力を持ったものではありませんので、この一般的な基準を超えた借主負担を、賃貸借契約の特約として定められている場合は、その特約によるものとなります。

過剰な借主負担を定めた特約は無効になることがあります。
判例によれば、借主に特別の負担を課す特約が有効と認められるためには3つの要件があるとされています。
①特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること
②借主が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること
③借主が特約による義務負担の意思表示をしている

契約書に合意してからの特約無効判断は難しそうなので、特約は契約時に交渉しておく必要がありますね。問題となる恐れがあるものは川上で処理する方が簡単ですよ。


【まとめ】

原状回復をめぐるトラブルは当事者の認識の違いで起こることが多いですね。
これらのガイドラインを基準に契約しておけばトラブルが少なくなると思うのですが、普通、退去時にならないと、なかなか本腰がはいりません。
賃貸住宅はいずれ退去することが多いですので、退去時のことも想像して契約したいものです。
トラブルになってからでは面倒ですよ。



一つの知識が無限の知恵を生みます。

知ることで問題を解決していきましょう。


記述事項は、一級建築士、宅地建物取引士(未登録)が監修しておりますが、発信情報に間違いがありましたらご指摘ください。
直ちにそっと修正いたします。

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