ボクは石敢當
〜小さな石コロになるまで 立ち続けよう〜
絵・文 こん ひでこ
出版・アトリエDeko 2015 年出版
この物語は、70年前の慶良間諸島の話し。石敢當とは、屋根の上のシーサーと同じで、敷地の角にある家を守るための石のこと。島の暮らしは穏やかで、大家族が賑やかに平和に暮らしていた。
しかし、戦争は、その島を変えた。やがて、日本軍が陣取り、アメリカ軍の進撃を待ち構えていた。日本兵は、「捕虜になるな!いさぎよく自決するんだ」と島民に迫った。
1945年3月23日、アメリカ軍の爆撃が始まり、海から大挙して兵隊が上陸してきた。島はパニック状態となり、壮絶な時間が過ぎ、誰もいなくなった…
そして、石敢當だけが残った。石敢當は、家族を守ることができず、ただただ見つめるしかなかった…
今の日本は、世界的に見ても、どこも平和で安全な国。
でも、地球上では、あちこちで戦争や紛争が絶えない。
この絵本は、戦争の悲惨さ、愚かさ、残酷さを、悲劇が起こった島の石敢當を通して、真っ直ぐに淡々と伝えてくる。
※この絵本を読みたい方は、東京上野にある国際子ども図書館または沖縄県立図書館に収蔵されています。