スタートアップ投資とは何かを知る『王様たちのヴァイキング』


王様たちのヴァイキング』(さだやす氏、深見真氏)

【あらすじ】

 エンジェル投資家、坂井大輔と、人付き合いが苦手な天才ハッカー、是枝一希が手を組み、テクノロジーで新しい産業を生み出していこうとする物語。

マンガ度 ★★★

リアリティ度 ★★★

オカネや経済わかる度 ★★★

眼鏡度    ★★

【ここがポイント】

 日本でも徐々に出てきたエンジェル投資家。彼らを含めベンチャー投資家はいったいどうやってオカネを回しているのか。なにを考えて投資しているのか。その姿の一部が甲斐まみえる作品。

 投資家側の坂井は自分の趣味のためにはじめたサイトを売却して資金を手に入れ自分の目利きで投資する人。投資先にしっかり関わり育てていきます。もちろん失敗もあるし、親からは胡散臭く想われていますが、自分の道を突き進むタイプ。

 一方で、是枝はプログラム技術は一級品ながら一とのつきあいができず社会に馴染めないタイプ。

 陰と陽ともいえる2人が出会い、オカネの力を借りて自分の持つ技術を社会でオカネに評価される形にしていきます。

 是枝のハッキングの技術に目を付けた警察にたいし、坂井がしっかり商売上の契約に持ち込むところが印象的です。(契約料が気になる)多分是枝だけではなかなか難しかった取引。坂井というか投資家エージェントの価値を垣間見ました。その人の何がオカネを出してでも手に入れたい価値かは本人が判断したりアピールしたりは難しい。そこで第三者の登場です。

 今では広がってきたスタートアップ向けシェアオフィス、失敗した投資家の姿も描かれ、どんなリサーチをしたかわかりませんがリアリティ度は高いです。ギークが、人との関わりを通じてビジネスや個人としても成長していくところも見所。

 もちろん主人公組は「勝ち組」で、これがすべてではないでしょう。彼らの後ろには失敗した起業家や投資かがたくさんいるはず。それでも、彼らの活躍や考え方の一端が見えてきます。


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