【北米漫画市場まとめ】AMCネットワークスがアニメ配信の HIDIVEを買収、東村先生の「偽装不倫」の英語版配信など
北米漫画市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。
AMCネットワークス、アニメ配信の HIDIVEを買収
今週、ネット上でも話題になったのがAMCネットワークスによるアニメ配信会社、HIDIVEの買収です。HIDIVEは、北米を中心に日本のアニメを専門に手掛ける配信サービス会社です。買収対象となるということは、配信市場で日本のアニメの存在感が高まっている証左といえそうです。
東村アキコ先生の「偽装不倫」、Webtoonプラットフォームで英語化
Webtoonの配信を手掛ける「Webtoon」上で東村アキコ先生の漫画「偽装不倫」の英語版の配信が始まりました。偽装不倫は2017年から「XOY」で連載が始まった作品です。海外市場の開拓の一環でしょうか?
「あやかしトライアングル」、英語版更新されず
こちらはネット上の「指摘」なので取り上げるか迷ったのですが面白かったので。矢吹 健太朗先生の「あやかしトライアングル」。少しエッチな表現も話題ですが、週刊少年ジャンプの英語版「MANGA PLUS」ではほぼ同時に英語版が更新されています。しかし74話は日本語版の掲載にも関わらず英語版では更新されず。性的な表現が英語版を出している出版社のレギュレーションに引っかかったのではないか?とインターネット上では指摘されています。真相は不明ですが、日本と北米市場の性的表現に対する考え方の差を示しているのかもしれません。
漫画「ブルーロック」英語版の紙の単行本の発売へ
アニメ化が予定されているサッカー漫画「ブルーロック」。英語圏でのその人気を示すように、講談社は英語版の紙の単行本の発売を発表しました。すでに電子版は出ていますが、熱心なファンからコレクション用に紙版を出してほしいという声があったよう。
スポーツ漫画というジャンルは興味深く、実はいわゆる北米で出ているグラフィックノベルに「スポーツジャンル」というものはあまり目にしません。いろいろファンの方に聞いたところ「米国人にとってスポーツは読むものではなくやるものだから」と言われてしまいました。その点で、日本の漫画ファンに、スポーツ漫画ファンは少なくありません。どうしても連載が長くなってしまうため出版社にとっては翻訳を出し続けることは難しいという判断もあるようですが、熱心なファンのいるジャンルであることは間違いありません。
NFTはいかに日本のアニメコミュニティを刺激しているか
最後は話題ものです。2021年に取引量が急増したNFT。アートマーケットでの関心が高まったことがきっかけでしたが、日本のアニメコミュニティもこの動きを見逃していない、という話です。確かにNFTが持つ「ブロックチェーン上で持ち主を記録できる」という機能はコレクティブアイテムもあるアニメや漫画コミュニティと相性がいいです。21年に先んじて動いたところに続いて、22年も多くのプロジェクトが表に出てきそうです。
追伸
菊池健さんの「マンガ業界Newsまとめ」感想
この記事を書くきっかけになった菊池健さんの「マンガ業界Newsまとめ」の先週分の感想です。
個人的には講談社のNFTの取り組みに注目しています。この取り組みそのものはもちろんですが、ほかの出版社や作品もNFTに関する独自の取り組みが出てくれば面白いなと思います。NFTはNFTで熱心なファンのいる分野なので、漫画を漫画市場を超えた部分に広げることにもつながりそう。さらに、NFTというテクノロジーと組み合わせることで漫画という表現がどう変わっていくか、そしてうまく国境を超えることができるのか、いずれにせよ今後の動きに注目です。
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