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【北米漫画市場まとめ】シカゴでマンガ喫茶誕生へ、業界の未来をめぐり「3大アニメ」が議論を呼ぶ、「グラフィック・ノベルは歴史のニュアンスや複雑さをつかめる」スタンフォード大の歴史家

北米漫画市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。


シカゴにマンガ喫茶「Cafe Nito 」誕生へ

https://www.benzinga.com/pressreleases/22/02/n25438687/manga-and-anime-comes-to-life-and-cultures-fuse-in-chicagos-first-ever-manga-caf-hub

日本ではおなじみのマンガ喫茶。海外ではフランスでその存在を確認したことがありますが、北米圏ではまだ見かけたことがありません。(もしご存じなら教えてください!)

それが、シカゴで誕生するかもしれません。現在資金調達が進んでいるとのことです。記事によると20の個室、カフェスペースを設け、グッズの販売や日本語・韓国語の語学レッスンも実施するとのことです。イベントやファンの集まりも主宰するそうです。

アニメはサブスクリプション型の配信サービスのおかげで新しい作品に出合う機会が増えました。「興味のある作品を気軽に手に取ってみる場所」として、マンガ喫茶が海外で機能してくれると面白いですね。(できれば出版社や著作者に還元される仕組みもあればいいのですが)


NYTimesのグラフィックブック・マンガに日本のマンガが軒並みランクイン

恒例のNYTimesのグラフィックブック・マンガのランキング。1位はアメリカ発のグラフィック・ノベルですが、2位以下には、日本のマンガの翻訳本が相次ぎランクイン。『鬼滅の刃』強し、です。


新しいベルギーのパスポート、ベルギーのコミック・ストリップの歴史を祝福


日本はマンガ・アニメを日本の象徴のひとつとしてアピールしようとしています。しかしその戦略をとろうとしているのは日本だけではありません。最近は韓国のWebtoonの追い上げが話題になっていますが「COMIC」の伝統はベルギーやフランスも持っています。その中でベルギーが自国のパスポートのデザインに「タンタンの冒険」を取り入れました。「アニメ・マンガのアピール」でも厳しい競争となりそうです。


『呪術廻戦』、2023年にシーズン2を放送へ

日本で話題になった『呪術廻戦』のシーズン2の制作・放送決定。ニュースが伝わると英語メディアでも相次ぎ報道されました。『鬼滅の刃』に続いて海外でも人気を集めた作品ですから、すぐさま配信会社が配信権の確保に動くとみられます。


Crunchyrollのアニメアワード、今年は「進撃の巨人」がANIME OF  THE YEARに

https://www.crunchyroll.com/animeawards/winners/index.html

例年のCrunchyrollのアニメアワード。今年のANIME OF THE YEARは「進撃の巨人」が選ばれました。このアワードで面白いのは作品賞だけでなく「BEST GIRL」やディレクター、吹替の声優も賞の対象になっていること。クリエイターを重視する北米のアニメ市場らしいなと思いました。

シークレットラボとFunimation、「進撃の巨人」で新たなコラボ商品

https://twinfinite.net/2022/02/attack-on-titan-secretlab/

「進撃の巨人」の人気、話題の高さは新たなグッズの開発も後押ししています。こちらは配信会社のFunimationが関係するグッズ。なんとキャラクターをイメージしたデスクチェアです。日本でも売れそうですけどね。


業界の未来をめぐり「3大アニメ」が議論を呼ぶ



この記事によると、2000年代半ばの海外で定番の「3大アニメ」といえば、「ONE PIECE」「BLEACH」「NARUTO」だそうです。しかし今、「進撃の巨人」「鬼滅の刃」などの人気でこの「3大アニメ」を見直すべきという議論が持ち上がっているというお話です。


「グラフィック・ノベルはクリティカル・シンキングを深め、歴史のニュアンスや複雑さをつかめる」スタンフォード大の歴史家


https://news.stanford.edu/2022/02/10/graphic-novels-can-accelerate-critical-thinking-capture-nuance-complexity-history/

最後はマンガ・グラフィックノベルの教育的役割について。スタンフォード大で歴史を教える教授が授業の中で大まかな歴史をつかむためにグラフィック・ノベルを活用しているというもの。水木しげる先生の『昭和史』も使っているそうです。

「北米圏で出版されているマンガ(グラフィック・述べる)」というと、マーベルなどのヒーローものが想起されやすいですが、ヒーローものの作品は北米のマンガ市場の一部にしかすぎません。「グラフィック・ノベル」というとき、アメコミ以外の作品も無数にあります。作家がその体験をベースに歴史的なイベントを描く作品も少なくありません。日本も歴史をテーマにしたマンガは数多くありますがこのあたりのグラフィック・ノベルの翻訳出てほしいです。


追加

この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジン。


BTS×NAVERのコラボ『7FATES:CHAKHO』の話題が興味深かったです。実はこのコラボを調べているとき、BTSのファンからは「このコラボはあまり興味がない」と否定的な発言が出ていると伝わっていました。しかしこの分析で北米では成功しているということであればこの取り組みは一定の役割を果たしているといえそうです。BTSは北米ではアジア系の女性を中心に人気を集めていますが、人口比からすればまだ開拓できる市場はあるといえます。また、BTSファンとWebtoonを含む漫画ファンはまだ距離があります。今回のコラボが溝をうめるきっかけになるかもしれません。


今週はこんな感じです。


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