【北米漫画市場まとめ】映画『呪術廻戦』が海外市場へ、SevenSeasが女性向け漫画のレーベルを立ち上げ、テネシー州の学校がホロコースト関連のグラフィック・ノベルを禁止
北米漫画市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。
映画『呪術廻戦』、海外市場へ
大ヒット映画『劇場版 呪術廻戦 0』がとうとう海外市場にいきます。配信サービスのCruncyrollが北米などの映画館で3月に上映するとのことです。アニメ版は北米をはじめ海外市場でも評判がいいので、映画の興行も伸びることが期待されます。
アメリカ図書館協会の推薦リストに永田ガビ先生の作品など
アメリカ図書館協会は毎年、加盟する図書館向けに購入を推奨するグラフィックノベル・コミックスのリストを作成しています。2021年版はTOP10に永田ガビ先生の『現実逃避してたらボロボロになった話』がエントリーされました。このほかの全リストの中には、水木しげる先生の『遠野物語』、伊藤潤二先生の『地獄星レミナ』が入りました。
全リストはこちら。
VizMedia、『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』のデジタル版の配信をShonen Jumpで開始
ネットフリックスなどでのアニメの配信が好評だった『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』。海外市場でも評判が良かったようで、VizMediaは漫画配信アプリShonen Jumpで『ストーンオーシャン』の配信を始めました。まずは8話までで、今後連載が続いていくそうです。
SevenSeas、女性向け漫画のレーベル「Steamship」を立ち上げ
まだまだ海外市場で漫画が広がるなと思わされたニュースのひとつです。米国の中堅出版社、SevenSeasが「Steamship」という新たなレーベルを立ち上げるという話です。こちらは女性向けの「 'Sexy Romance' Manga」とされています。具体的には西形まい先生の『GAMEースーツの隙間』など少し表現がエロティックな作品が対象になるようです。
韓国ネイバーの業績好調、Webtoon人気も追い風
https://m.koreatimes.co.kr/pages/article.asp?newsIdx=322994
韓国のネイバーの業績についての記事です。検索サービスや広告事業も好調ですが、Webtoon人気も業績拡大の追い風になったよう。記事によると、Webtoon部門の課金額は2021年に1兆ウォンを超えたそうです。ローカライズも進んでいますのでこの部門の成長はまだまだ続きそうです。
プロレステーマのアメコミに登場する日本のプロレス
ツイッターで拾ったネタなのですがJ-Popカルチャーの広がりとして。アメリカで出版されているプロレス関連のアメコミに日本のプロレスネタが載っているというお話。『推しエコノミー』にも描かれていますが、プロレスはジャパン・コンテンツとして受け入れられたもののひとつですが、グラフィック・ノベルにも浸透しているのは興味深いところです。
テネシー州の学校、ホロコースト関連のグラフィック・ノベルを禁止
日本の漫画ではないのですが、日本の漫画が北米市場で分類されているグラフィック・ノベル関係の関連ということで。アメリカでは各州の学校のボードで学校の図書館などに置く書籍を決めます。今回はテネシー州のある群の学校で、ホロコーストをテーマにしたグラフィック・ノベル「Maus」を一定の年齢カリキュラムから排除した読ませるというものです。
あくまで純粋な表現の自由への制限というわけではなく一定年齢以下の人に読めなくするというものなのですが、かなり衝撃を持って受け止められています。アメリカではここ数年歴史教育を巡って「こどもにどのような歴史を教えるべきか」の議論が続いています。具体的には主に白人、アングロサクソンの子供に罪悪感を持たせるような歴史を学校で教えるべきではないという考えを持つ人たちが歴史教育に介入し始め、激しい議論が繰り広げられており、今回の禁止もその文脈に結び付けられています。
きっかけはツイッターでの禁止になったことを決めた会議の議事録の分析の投稿でした。
なおCNBCの記事によると、禁止の理由は「冒涜的」な、ホロコーストの犠牲になった女性の裸体の描写とされています。
ハイファッションはなぜアニメとコラボした製品を発表するのか
https://www.marketplace.org/2022/01/19/why-high-fashion-brands-are-releasing-anime-collaborations/
グッチなどハイファッションが相次ぎアニメのキャラクターとコラボレーションしたグッズを発売しているのはなぜかという記事です。専門家の意見を引用し、若い人へのアピールのためコラボを増やしていると指摘しました。
『千と千尋の神隠し』から『鬼滅の刃』までアニメの流星のような盛り上がり
こちらはJapanTimesのポッドキャスト。日本のアニメビジネスの盛り上がりについて、世界中で日本のアニメへの関心が高まっている一方で、労働者としてのアニメーターは生活に苦しんでいるというまとめ記事です。
AnimeExpoの入場券の販売開始
6月に開催予定のAnimeExpo2022の入場券の発売が開始しました。足元の新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえると、開催できるかまだ流動的ですが、とにかく入場料が値上がりしています。コロナ対策などでコストが膨らんでいるというのもありますし、感染防止のために企業の出店なども抑えないといけないという事情もあるのではないでしょうか。
追加
菊池健さんの「マンガ業界Newsまとめ」感想
この記事を書くきっかけになった菊池健さんの「マンガ業界Newsまとめ」の感想です。
講談社や新潮社などが参画する北米向け電子コミックプラットフォーム「MangaPlaza」の事前登録に関連し、『Obey Me!』のコミカライズは私も期待しています。個人的には集英社・小学館のShonen Jumpがすごい「日本の漫画」を広げるに貢献しているので、ほかの出版社もはやく追随してほしいし、これらのプラットフォームに少女漫画をの載せてほしいと思っています。
今週はこんな感じで!今後ともよろしくお願いします。
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