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大型書店で深呼吸


 本がぶわーっとある場所が好きです。
 
 背の高い本棚に囲まれて、見渡す限り本、本、本の空間で心ゆくまで本を眺めて暮らしたい。
 そんなふうに思っているから家には本が大量にありそのうえ図書館で働いているのですけど、家の本棚は本がきちんと収まりきらずに溢れ、仕事中は書架の前でニヤニヤしているわけにはいきません。無念。
 
 なのでフラストレーションが溜まってきたら、いそいそと大型書店に出かけます。今日はそんなある日の私の書店タイムをつらつらと。


 
 まずは欲しかった本を探して検索機をぽちぽち。目当ての本は最速で場所を確かめ、中をパラパラ。買いたいものの目星をつけたら、次は回遊タイムです。気になっていた本のあるジャンルを眺め、新たに気になる本は手に取って、読みたい本が見つかればその都度メモ。本当は全部買って帰りたいけれど、そんなことをしたら破産だし家の底が抜けますから、まずはメモで我慢。
 あちらこちらフラフラと歩き回るのですが、好きなジャンルが多すぎる私の場合、今日は見ないぞというジャンルを決めておき、そこには近寄らないようにします。何故なら全部見てしまうととんでもなく時間がかかるから!しかもものすごく疲れるから!
 今回は文庫とアートと児童書は無しと決めました。この前買ったやつ、まだ開いてもいないものね…。 

 集中して歩き回り過ぎると疲れるので、途中で休憩を挟みます。書店の中にカフェがあれば、なるべくそこで。本棚がちょっと見えればなおよし。たいていざわめきが心地よい程度で快適ですし、そこまで混雑していないからオススメです。
 書店の空気をカフェタイムでも満喫しながら、購入する本をだいたい決めます。5冊欲しいやつあったけど今日はそんなに買えないな…何冊までにしようかな…と悩みながら、欲しいものリストから近所の書店にありそうなものは省きます。大手出版社から出ているコミック、雑誌、実用書のあたりは小さな書店でも揃えられる場合が多いから、買うのはそっちで。町から本屋が消えていくのは死活問題なので、これは譲れないこだわりです。

 そうして今日は2冊買ってヨシ!と決めてるんるん売り場に戻ってレジに向かう時、持っているのが直前に決めた本じゃない、なんてこともよくあります。最後の最後に目が合うめちゃくちゃ読みたい本って何なんでしょう。あんなに見て回ってた時には目に入らなかったのに何故。
 そうして大型書店を満喫して、時間が許せば近所の書店にも寄るのがルーティンです。本屋に行くと、さらに本屋に行きたくなるんですよね。少し食べるとお腹が空く、みたいなものかしら。


 毎日まだまだ暑いけれど、気づけば蝉の鳴き声に代わって夜に涼やかな虫の声が響き、空が少しずつ高くなりました。この夏は亜熱帯になってしまったみたいだなぁなんて思っていたけれど、季節はちゃんと巡っているんですね。
 秋が来ます。
 そう、読書の秋が来るんです。すでに身体も心もウズウズしてきました。
 毎年毎年読書の秋に本を買い過ぎて翌年まで積読になるので、今年こそは積読を解消する秋にしたいのですが…どうなることやら。ハッピーハロウィンよりハッピーリーディングな秋になりますように!(??)


【今回の戦利品】
『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』(古賀及子)
 ずっと読みたくて、満を持して買いました。素粒社さんの本はある程度大きな書店じゃないとなかなか出会えないのでホクホク。日記好きにはたまらない。著作全部欲しいけどじりじり買おうと思って今日は1冊だけ。

『塾前じゃないごはん』(馬場草織)
 買おうと思っていた本の隣にあって一目惚れしてこちらを買ってきてしまった。はるな檸檬さんの絵に目を引かれたのもあるけれど、パラパラ読んでみたらなんと好みの文体か。好き。レジ。という脊髄反射が起こりました。
 本の情報を集めまくって気になる本を目掛けて書店に行きがちなので、偶然の出会いをするといつも以上に財布の紐が緩みます。言い訳だけど。

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