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音楽現場で探るニューノーマル - オンライン顔合わせ

Libra Notesで事務部分を担っているArc-hive Philharmonic Windsで、10月からの初回練に先立ちオンライン顔合わせを開催しました。

意図としては、

・今回が創立記念の演奏会のため団員同士初めましての方が多いこと
・パート分けをスムーズに行うために事前説明(今回指導者及び事務局によるパート分けを行うため)
・初回の練習で初見演奏にならないよう、譜面配布のシステムなどを通達する

という点を考慮しての開催でしたが、結果的には弊団だけではなく多くの楽団の運用に効果的と考えられるため、以下にオンライン顔合わせについてまとめます。

楽団内オンライン顔合わせの効果

1.自己紹介の場の提供

リハーサルの時間というのは、実際には楽器を出したり準備をしたりと、各人それぞれが忙しくしています。そのため、人数の多いパートほど隣の席の人くらいしか自己紹介の機会が得られず、結果的に最後の最後まであまり話せなかった、という人が出てくることもあります。

初めましての方からしても、指導者や事務局がどのような人なのか。団のカラーはどのようなものなのか。同じパート内にどんな人がいるのか。は事前に把握しておくことで初回練習までの精神的ハードルがかなり下がるのではと考えます。

2.事務的な説明の機会

団員募集時から度々事務局からはお知らせがくるものですが、多くは一方的に情報が送られてきます。質問があれば連絡ください、と書いてはありますが、実際にそれで質問するほどではない。が、ちょっと聞きたいなぁという疑問を持っている団員もいます。
パート単位で顔合わせをすると、わざわざ問い合わせるほどではないけど…や、全員の前で挙手して言うほどではないけど…という質問も、ハードルが下がるように感じます。

また、初回練習時に指揮者や事務局からの挨拶があります。が、大体ちょっとバタついている状態で始められてしまい、しっかり説明を聞くことができなかったりします。先述のとおり、その場で質問したいことが出ても全員の前で聞きづらいから質問しなかった、という団員も出てきます。
これも、先にオンラインによって相互コミュニケーションできる状況で説明をすることにより「しっかり説明を聞く機会」「説明に参加する人数を絞ることにより質問しやすい環境を作る」ことにつながります。

3.コミュニケーションとしてのツール活用

昨今の楽団では何かしら団内のツールとしてSNS等web上のツールを使われていることが多いかと思われます。LINE、サークルスクエア、BAND、Slack、チャットワーク、Discord等…ツールは多岐にわたっていますが、オンライン(主にテキスト)でのパート内コミュニケーションも初対面での交流はなかなか難しく、情報を受け取るだけになりがちです。
練習が開始する前の時期に一度事前に顔を合わせておくことで、雑談レベルでのコミュニケーションへのハードルはかなり下がるものと思われます(実際、顔合わせの終わったパート内では自由な発言がかなり見受けられました!)

また、団内ツールというものは、放っておくと運営・事務局からの発信のみになりがちです。
団員としては情報を受信するだけになると、お知らせも見落としがちになります。
受発信をする立場になると情報を自ら取得しにいこうとする意識が上がりやすくなり、結果的に重要な情報の見落としが減りやすくなる傾向にあります。

最後に

コロナ禍で、いわゆるアマチュア楽団での飲み会は激減していることと思われます。
リハや演奏会で散々対策したのに飲み会で感染した、という状況を避けるものであることは重々承知しています。
飲み会が苦手な方も一定数いるのは承知していますし、家族がいるから元々参加しづらかった方ももちろんいます。そのような方々にとっては、飲み会がなくなったことの弊害は感じられにくいかもしれません。が、団内のコミュニケーションの場が減ったこともまた事実です。

楽団を運用していく中で、「良い楽団たり得るために必要なこと」は、団員各自の練習、リハへの積極的参加はもちろんではありますが、団内のコミュニケーションもかなりの重要度を占めていると感じます。
少なくともソロ演奏ではなく「楽団」として演奏する以上、一人で音楽を創れるものではありません。
団内コミュニケーションの一環として、オンラインで顔を合わせる機会を検討することも、ニューノーマルの一環としておすすめします。

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