見出し画像

乃木坂46のこれから②:グループの人数と選抜制

 握手会がミーグリに代わったことでの売上減を受けて、経費増額を嫌って五期生は人数を減らすのではないか、という記事を書きました。

 私の願望や憶測に基づく推測ですので、詳細を書いても仕方ないのですが、自分の記録のために続きを書きます。

・五期生の人数

 経費削減もさることながら、後から加入した五人の四期生を二期生の二の舞にしないという目的もあって、新メンバーの加入は三年程後、人数は五、六名程度に絞る、という方向転換が行われるのではないかと思います。

 その頃には更に卒業者が出ることを考えると、選抜とアンダーに分けるには人数が少な過ぎるわけですが、そもそも、乃木坂46に選抜制度はもはや不要なものだと私は思っています。

・選抜制

 AKB48のやり方をなんとなく踏襲して選抜制を採っていたと思われる乃木坂46ですが、常設の劇場を持たない乃木坂46では、アンダーメンバーの出番は少なくなります。初期よりは状況は改善されましたが、現在でもその状況は変わっていません。
 アイドルを総選挙で順位付けするのが当然だった時代から、そうした方式の空虚さと、ファン同士の煽り合い、いがみ合いの弊害が明らかになって来た今、選抜制でなければならない理由は、それをネタに騒ぎたいオタク界隈を除けば、益々希薄になっているように思います。

 名を知られていないアイドルグループであれば、残酷ショー、理不尽ショー、落差ショーを見せてまず関心を集めなければならないでしょう。しかし、乃木坂46は違います。初期はそうだったかも知れませんが、今は違うのですから、違ったやり方をして良いはずです。
 すなわち、残酷ショーとしての選抜制を辞める方向に舵を切っても良いのではないでしょうか。

 何故乃木坂46が選抜制度を採る最大の理由は、初めからやっているから、という惰性でしょうが、それ以外に、メンバー同士と言うよりファン同士の競争を煽り、握手売上を拡大するため、でしょう。残酷ショー、落差ショーがあるからこそ、煽られるわけです。
 しかし、握手売上に頼り切る危険性が高まっている状況では、握手売上前提の方法から脱却する道を探るべきだと思います。

・競争維持?

 選抜という競争要素がないと向上心がなくなる、などと言う輩もいますが、選抜制がなくなったとしても序列はなくなりません
 センター・フロント・最後列等のポジションで、バラエティでのオンエア具合で、外仕事の多寡で、必ず序列は付きます。彼女達はその序列に気付かないほど愚鈍ではありません
 そして、グループ内で高い序列を確保したメンバーも、慢心するとは思えません。グループを一歩出ればそんな序列には何の意味もないことを、彼女達自身が十分認識しているはずだからです。

 多くのアイドルが、グループ卒業後に大幅に露出を減らします。AKB48はもちろん、握手会に頼らずに文字通り実力で芸能界のトップに立ったモーニング娘。のメンバーすらも、同じ道を辿りました。
 そうした実例を見て来た乃木坂46のメンバーが、自分だけは違う、などと思うはずがないのです。若い女=バカ=すぐ調子に乗る、という図式はあまりにステレオタイプですし、彼女達の言動を見ればそうした結論が出て来るはずがありません。

 私のようなオッサンが学生だった、バブル直後の時期に比べれば、最近の若者はむしろ圧倒的に堅実で、将来のリスクに敏感です。中年社会の常識を知らないために一見非常識に見えるだけで、現状をシビアに見極める能力は遥かに高いと思います。
 乃木坂46のメンバーは、芸能界に飛び込む一風変わったパーソナリティを持っているかも知れませんが、そうした若者一般の性向は変わらず持っているはずです。

・AKB48の傘の下である乃木坂46

 乃木坂46は、スキャンダラスな炎上商法や過剰なバチバチ演出とは無縁ですが、AKB48とは共通点の方が多いと世間的には思われているでしょうし、実際そうだと思います。今やグループの人気はAKB48以上でしょうが、アイドルグループとしての新しい在り方を提示して見せているかと言われれば、違うでしょう。

 総選挙や選抜制のような残酷ショー、理不尽ショーを支点にしてファンの感情を掻き回す、という方法。
 未熟なところを敢えて見せる、という方法。


 この二つはAKB48を成功に導いた方法論であり、乃木坂46も踏襲しています。

 坂道の姉妹グループを見れば、日向坂46は表題曲は全員参加ですし、櫻坂46では表題曲は全員ではありませんが、必ずカップリング曲には参加して、かつ表題曲と横並びに近い扱いとなっています。すなわち、残酷ショーの部分をかなり薄くしています。
 様々な理由はあったのでしょうが、AKB48をなんとなく倣って始めてしまった乃木坂46の運営経験を活かして、人数も考えたのではないかとも思われます(違うかも知れません)。
 バチバチ演出どころか、仲の良さがたびたびアピールされ、実際にその通りなのであろう坂道グループでは残酷ショー的な要素はそぐわず、櫻坂46や日向坂46の方が進んでいる、適しているとも言えます。

 未熟なところを敢えて見せる、というやり方も、通用しなくなって来る恐れが既にあります。それに対しても、人数を少なくすることは効果があるはずです。
 人数が多ければ多いほどダンスは揃わず、歌割も不要なまでに細分化され、何とか目立とうとカメラに抜かれる一瞬の見せ方ばかりを考える本末転倒になりがち、等パフォーマンス面で良いことは一つもありません
 正直期別ライブを見ていて、三期生の十二人までが限界で、四期生の十六人でも多いように思えました。

 もちろん、いきなりそこまで減らすことは難しいでしょうが、人数を今までほど多くせず、徐々に少なくしていくことで、残酷ショーとしての選抜制の取り止めによる不要なストレスの消滅、パフォーマンスの高レベル化が図れます。
 そこまで行って高人気を維持出来れば、AKB48を超えたと言える気がします。

・人材を集めるために

 AKB48を超える云々はどうでも良いとしても、それ以上にこれからの時代の生き残り策として、高水準の人材を集めるための魅力として、ストレス軽減、高パフォーマンス化にはメリットがあると思います。

 害悪オタクの御機嫌取りを強いられ、評価基準も曖昧なまま競争を強いられ、ネットでは中傷され、プライバシーも制限され、給料もそこまで高くもないのに卒業後の立場も保証されない『握手会アイドル』になりたい人は、間違いなく減って行きます
 今まで通り卒業を前提とするのであれば、バラエティや歌やダンスや演技等の実力を培う機会があり、卒業後もそのグループ出身となればその方面で箔が付くようなグループ。そうしたグループでなければ見向きもされなくなる日が、既に来ています。
 AKB48では『次世代センター』などと言われたメンバーがさっさと卒業してしまい、乃木坂46は3,4期生は誰も卒業せずに活動を続けているのは、その表れでしょう。もちろん乃木坂46とて、安泰には程遠いわけですが、まだ様々ケアがされ、卒業後の場も提供され易くなっています。

 別に、グローバルを目指してK-POPグループと勝負しろ、などと言っている訳ではなく、日本人ならではの情緒感には訴えるけど、世界には通じないものでも一向に構いません。
 ただ日本であっても、世間一般では高パフォーマンスは重要な評価条件ですし、成長物語の体をとったパワハラその他の嫌がらせや、『お客様は神様』論に辟易する人も増えて来ています。
 その点は十分に考慮するべきで、「日本のアイドルはこうなんだ!」という固定観念に捉われないで欲しいと思います。

・最後に

 以上、全て私の願望、妄想です。うまく行かないリスクの方が高いでしょう。
 現実的には、一年ぐらいでワクチンが行き渡って握手会を再開することで売上回復させる、今はとにかくそこまで持たせる、という方針なのだろうと思います。
 そしてその後、成長や儲けが見込めなくなれば、グループを解散するだけのこと。それが運営やレコード会社の普通の判断です。

 私はファンですので、出来るだけグループが長く続いて欲しいと思っていますし、今後も乃木坂46を応援することに変わりはありません。いつかは飽きるかも知れませんが、よほど曲が変な感じにならない限りは、ファンを続ける予定です。
 なので、グループが長く続くためにどうすれば良いか、かつ三流集団が握手会で男に媚びを売って金を稼いでる、という一般的な評価を覆せないものか、と思って長々書きました。

 最後まで読んでくれた方がもしいるなら、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?