第一話「Once in a blue moon 」

 「いいかい、君には全てが78対22で出来ているという様黄金律を教えてあげる。大事な事は目を覚ましてるんだ。目に見えるものでは駄目なんだ。激しく嗚咽するんだ。そして気付くんだ。」

プルーは退屈に耐えきれなくなったのか、とげとげの先が丸みを帯びていきながら、喋り始めた。
長い話をする前の前兆だ。この間はバベルの塔を建てる場所を探し始めた時から崩れるまでかかった。
だが、話に惹かれてしまい、近くのコロッセオで馬車レースの大穴が優勝した時の歓声でやっと我に返ったんだ。

「まず、大都会の中心の泉を見つけるんだ。それも次自分の誕生日の時がいい。そこで水浴びをしてもいいが、必ずお墓まで戻るんだ。濡れた身体が乾く前に。新しい世界に飛び込むんだ。一人だから怖いかもしれないけど勇気を持って。計り知れない屈辱を味わうかもしれないけど、誰もが通る道さ。僕も君も同じなんだよ。」

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