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「ママとはもう会いたくない」~娘はパパが喜ぶと思って言った~

子どもがいて離婚すると、子どもの親権はどちらか一方が持つ「単独親権」が日本では定められています。
親権を持っていない親が子どもと会う事を「面会交流」と言います。

私の場合は協議離婚だったので面会交流については、相手の要望で「毎月1度、12時間」と決め、実施していました。
当時小学校1年生の長女、3歳の次男を朝迎えに行き、3年生の長男は部活があったので、終わってから夕方迎えに行き、食事とお風呂を済ませて送って行きます。

面会交流を始めてから1年10か月が経過したある日、父親から、長男だけしばらく面会をさせられないと連絡が来ました。
どうやら長男は父親に怒られるような事をしたらしく、父親は長男が楽しみにしている「母親と会う事」を長男への罰として取り上げたのです。
その日は長女と次男だけを連れて行き面会交流をしました。
私は、長男に応援の手紙を書きました。
その手紙を長女に託しました。

「パパに内緒で渡せるようだったら渡してね。見つかりそうだったら渡さなくてもいいよ。」

この言葉が私の、痛恨のミスでした。

当時3年生だった娘は、勝手な大人の事情を理解できるわけもなく
手紙を兄に内緒で渡してくれました。

数日後、元夫から連絡があり、「内緒で手紙を渡したので、長男との面会は永久にありません。娘にも嘘をつかせたし、下の子だけで行かせる訳にはいかないので、3人とも今後面会を中止します。」

私は納得できなかったので、予定の面会交流日に家まで行きました。
子ども達が全員テーブルに座っていて、私も座るように言われました。
元夫は「子ども達はママとはもう会いたくないと言っている。」
そして子ども達に自分の気持ちを言いなさいと告げます。
娘は「ママは私を嘘つきにしたから、もう会いたくない。」
長男は泣いてしまい何も言うことができなかったのに、父親から「ちゃんと言いなさい!」と強く言われて
「ママとはもう会いたくありません。」と泣きながら言いました。
次男はまだ小さかったので分からなくても良いと強要されずに済みました。

この日から私は子どもたちと会う事ができなくなりました。

大人になった長女に、この時の事を聞いてみました。
「あの時、ママにはもう会いたくないと言って、その後寂しくなったり、後悔したりしなかったの?」

娘は、「子どもなんて、先々の事なんて考えてないし、寂しいと思うのなんか最初だけだよ。すぐに適応してその生活に慣れちゃうから、何とも思わなかった。ママに会いたくないと言ったのは、そう言えばパパが喜ぶから、自分は良い事を言ったと本気で思ってたよ。」

ママと会えなくて寂しがっているのではないか、かわいそうな事をしていると思っていた けれど、じつは子どもはそう思ってはいなかった… むしろ、子どもにそう思っていて欲しいと願っていたのは自分自身であったという事が分かりました。

子どもはたくましく、その環境に適応して生きていく。

このことでもう1つ言えることは、別居後離婚調停などで、子どもに対して調査官調査が入る場合があります。この場合も似たように、同居親の元で子どもが発する言葉は、同居親のメリットになることを子どもは分かっていて発言していると思います。
でもそれもその時は本当にそう思っているんだと思います。そうすることで自分を守っている。本能なんだと思います。
これは、あくまでも私の事実に基づいた意見であり、全員に当てはまるかどうか定かではありません。

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