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ツール・ド・おきなわ2022 その7 〜レース中盤戦〜

このNoteについて

このNoteは平凡なサンデーライダーのパパが仕事・育児・家事と両立しながら国内最大規模のアマチュアロードレース「ツール・ド・おきなわ2022」へ向けて奮闘した記録である。
果たして、限られた練習時間で結果を残すことはできるのか?!


中盤戦

学校坂

脚のダメージが気になってきたのもあって、トルクをかけるペダリングは封印。
普久川のダウンヒルで形成された小集団から千切れない程度のパワーで高ケイデンスで回していく。
もはやアベレージ190w前後の出力しか出せずこのセグメントでは21分もかかってしまった。
事前に練った戦略では19.5分で突破する想定だったため、中盤戦の頭で既に計画に狂いが生じたことになる。
幸いスコールは止み路面も乾きはじめた。
これなら下りで取り返せる。

高江〜宮城関門

学校坂からの下りは小集団に乗りながら体力を温存してこなすことができたが、この頃には強い日差しに変わっていた。
スコール後の湿度のせいもあってか、体感温度はサウナ状態。
既に片方のボトルは底を付き、もう片方も残り半分を切っていた。
発汗量が半端ない…。
水分の枯渇にはあれほど気をつけて臨んでいたのにつくづく計画通りにはいかないものだ。
脱水症状の影響でスタミナは残っているものの、大腿部の痙攣を感じはじめた。
先頭を引いた後たまらず高江の登りの途中でトレインから離脱する。
宮城関門までは10km強程残っているだろうか。
事前に立てた計画では宮城関門までは集団に乗り続ける予定だったのに…。
そういえば前回大会でもこの辺は一人旅だったな。
宮城関門もソロで通ったっけ…。
ここまで強気で挑んできたが、両太ももの痙攣と一人旅というデジャヴは筆者の心を折るには十分な要素だった。
だが、このままじゃ終われない。
スラムダンクで安西先生が「諦めたらそこで試合終了ですよ」って言ってたじゃないか。
諦めるな!! 今できる最善を考えろ!!
発汗を抑え、あわよくば痙攣からの回復を待つことが今できる唯一の打開策…それは究極の脱力によりスピードを殺さないダウンヒル。
どうせ集団から千切れて前方の視界は良好なのだ、回復を最優先させよう。
宮城関門の直前の緩やかな登り返しに差し掛かる頃には僅かながら痙攣が治まっていた。
補給食としてバックポケットに忍ばせていたスッパイマンがガン決まりしたのもでかいか!!
宮城関門通過後は再び再起を図る。
水…とにかく水が欲しい。
慶佐次の給水ポイントまではあと13km。
両脚よ、何とか持ち堪えてくれ。

東海岸~慶佐次

宮城関門通過後は後方から追い抜かれた集団にドッキングすることができた。
僅かに回復したとはいえまだ両脚に爆弾を抱えている事実は変わらない。
平坦区間はトルクを掛けず高ケイデンス、短い登り返しは6秒以内のダンシングで凌ぐ(生理学的に6秒以内の負荷なら疲労が蓄積しないらしい)。
それにしても海に差し込む太陽の光が何と綺麗なことか。
脚が終わってなければ最高だったろうな。
「ゆるいペースだから乗ってって」と、集団からソロライダーに声が掛かり、集団はソロライダー達を吸収しつつその勢力を拡大していく。
この集団に乗り続けられたら最後まで楽に行けるんだろうな。
だが、慶佐次の登り差し掛かったところで再度集団を離脱して、マイペースと決め込んだ。
この脚では「ゆるい」ペースにもついて行くことも叶わない(今の筆者にはゆるくないし…)。
アベレージ186wのpwrであと少しで手に入る水を求めて回し続けていると、先程の小集団からこぼれた選手らを捉えることができた。
皆下を向き辛そうな表情を浮かべている。
辛いのは自分だけじゃないと思えると少しホッとする。
慶佐次の給水ポイントでは2本のペットボトルをゲットしたものの走行中に2本のボトルに入れ替える器用さは持ち合わせていないので素直にバイクを停車。
1本はその場で飲み干し、もう一本はこれから始まる終盤戦に備えてサイクルボトルに移し替えた。
タイムロスなどもう気にもならない、それよりも脚の痙攣を何とかしないことには羽地トンネル前の登りで脚が攣ってしまうことだろう。
3年越しのチャレンジはいよいよクライマックスに。
ここまで来たら精神力の戦いだ!!


2022年11月13日の記録

その8 〜レース終盤戦〜

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