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ツール・ド・おきなわ2022 その8 〜レース終盤戦〜

このNoteについて

このNoteは平凡なサンデーライダーのパパが仕事・育児・家事と両立しながら国内最大規模のアマチュアロードレース「ツール・ド・おきなわ2022」へ向けて奮闘した記録である。
果たして、限られた練習時間で結果を残すことはできるのか?!


終盤戦

有銘の登り〜安部関門

慶佐次の給水ポイントで念願だった水分を補給できたことで、有銘の登りとその直後の登りではアベレージ200w前後のpwrでこなすことができた。
数値からも両太もも痙攣のピークの時(慶佐次の登り)でのアベレージ186wと比較して徐々に回復してきていることがわかる。
もちろんトルクを掛けたペダリングではまた痙攣を誘発しそうだったため、ケイデンスで稼いだ。
この区間では周囲に何名かの選手がいたものの足の合いそうな選手はおらず、その後の安部までのアップダウン区間はソロ活となった。
安部の登りと関門はいつ通過したのか記憶が残っていないが、stravaのセグメントを見たところ、この区間も200w弱のpwrでこなしていたらしい。
例年の大会ではこの後最後の河上関門が残っていて前回大会で筆者が突破できなかったのもそこだが、2022年大会では大雨で羽地トンネルからのルートが変更になったため、安部関門が最後の関門となっていた。
最後の関門を突破したとはいえ例年のコースでも完走できたであろう結果を残すことを目的にしていたためゴールまで手を抜くことはない。

安部〜大浦(羽地の登りへの分岐点)

安部関門から先の平坦基調の区間ではその後最後の山場である羽地が待ち構えていることを知っていたため無理にペースを上げることはせず寧ろマイペースで進む。
周りの他の選手も同じことを考えているのか、皆ペースを抑えていた。
しばらくすると後方より別カテゴリの選手に追い抜かれた。
別カテゴリの選手との共闘はマナー違反との情報を何処かで聞いていたのだが、もうシード権争いは終わっているだろうしグルペット集団は例外とも聞いていたので良いだろう…。
後ろから観察するに少し筆者のペース配分からするとキツいがついていけないことは無さそうだ。
何とか距離を詰め追い抜いた後にペースをキープしながら前を引く。
その後、前に言ってくれと合図を送り、追い抜かれる時に「良かったら回していきましょう」と声を掛け羽地までの仲間を確保した。
何人かの選手にも追い抜く際に声をかけて5名程のグループで羽地へ向かう分岐を迎えた。

羽地の登り~羽地の下り

羽地トンネルへ向かう登り区間に入る手前でグループに「すいません、ここからはマイペースで行きます」と声を掛けてペースを落とした。
やはり無理なペース配分のせいか、また太腿の痙攣がはじまった。
これから登り区間それも最終戦の山場なのに大丈夫だろうか。
もう脚は終わっていた。ケイデンスを上げることもできない…。
そこで、これまで封印していたダンシングを解放する。
使う筋肉を変えているにもかかわらず、相変わらず両脚は悲鳴をあげていたがもう精神力で乗り切るしかない!!
ほぼダンシングで羽地トンネルを抜けるとまだまだ登りが続く光景が目に飛び込んできた。
これなら例年のルートの羽地の三段坂の方が短い分マシだとさえ思う(おそらく距離はそんな変わらないのだろうが先を知っているかどうかはメンタルに影響する)。
直様ダンシングを止めてサドルに座って力無いペダリングで脚を休ませる。
頂上付近で先程の別カテゴリの選手を見つけたため、再びダンシングに切り替えて追いついた。
ここからのダウンヒル区間は未知の領域のため、後ろをついて行きたかったからだ。
この選手素人目にもダウンヒルのスキルが高いことが分かる。
同じラインを踏んで安全に下ることができた。
途中から緑しかなかった風景が名護の街に変わってきた。
もうゴールは目の前か!!

名護市街~ゴール

名護市街の平坦区間に入ってからは同カテゴリの選手も含め何名かの選手に追いつかれた。
そのままゴールスプリントまでの運命共同体だ。
コーナーを曲がると見慣れた58号線。
ゴールゲートが見えてきたのでスプリント開始!!
したのだが、勝負を掛けるのが早すぎた。
結果的に後続の発射台を買って出たことになり、スタミナが切れた筆者は後続の選手らに抜かれた後にソロでゲートを潜って無事にゴール!!
3時間30分の激闘が今終わった。
羽地前の平坦区間から共闘した別カテゴリの選手と「お疲れ様でした」とお互いの健闘を讃えてから完走証を受け取りに行って、ここには居ない友人達へ報告。
遂に3年前の忘れ物を取り戻すことができた!!
きっとツール・ド・おきなわを走った記憶は死ぬ際の走馬灯で見るんだろうな…。
こんなにも夢中になれるものに出会えることはこの先あるのだろうか。
とにかく筆者の人生の目標のうちの一つは今日ここで達成できた。

その後は別カテゴリに出場したショップのチームメイトを待つため余韻に浸りながらゴール会場をブラブラ。
少しして140kmの部に出場した仲間と合流し、レース話に花を咲かせた。
無事最後の一人もギリギリゴールしたところを見届けてシークァーサーソーダで乾杯からの記念撮影を終えてホテルへの帰路へと向かった。


2022年11月13日の記録

その9 〜エピローグ〜

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