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美弥るりかさんが好きです。

 美弥るりかさんへの好きを叫ぶだけのnoteです。

 拝啓、美弥るりか様。
 宝塚公演のご卒業おめでとうございます。関東住みのため現地には伺えませんでしたが、心だけは宝塚にあります。
 今、日比谷公園ではネモフィラが青く美しく咲いています。
 宝塚は昨日までの雨があがって、散らずに残った桜が美弥さんの卒業を彩っていると伺いました。
 宝塚公演のご卒業おめでとうございます。東京公演でお姿を拝見できるのがとても楽しみです。

 BADDYから入った日の浅いファンで、とうとうファンクラブにも入らずに来てしまった私は、るりかちゃん、美弥ちゃん、と呼ぶのもおこがましくて、心の中で美弥さんと呼んでいます。
 気持ち的には美弥様、るりか様と呼びたいぐらいです。

BADDY(バッディ)-悪党(ヤツ)は月からやって来る-

 美弥さんに惹かれたのはBADDYのスイートハートがきっかけでした。

 当日券立ち見で観た私は、カンパニーの荒筋や台詞に諸々虚無の表情になった後(バレエはとても素敵でした)、同時公演のBADDYに世界をぶん殴られたような衝撃を受けました。
 こりゃあとんでもないものに立ち会ってしまったぞ、という気持ちです。
 デュエットダンス、ロケットダンス、男役群舞、大階段とレビューの全ての形式を踏襲しながら、中身は従来のレビューとは全く異なった異色作。
 なんか知らないけど、タカラジェンヌの美女たちがオマール海老やロブスターや宇宙人に扮している衝撃。
 「悪いことがしたい 良い子でいたい 頭は混乱 心はドキドキ」という歌詞に、これまで一体どれだけ励まされたことでしょう。
 怒り、悲しみ、嘆きというネガティブな感情を、あれだけ劇的に美しく価値転換したロケットダンスは私の心の中の花になっています。
 (↓言葉にならない諸々をイラストで表してくださったファンアート)

 その異色のレビューでも、美弥さん扮するスイートハートは特に心を鷲掴みにされました。
 全て女性で構成される劇団でありながら、時には現実社会以上に男役、娘役の線引きが黒黒としている宝塚歌劇団において、男でも女でもないスイートハート。
 他の方の感想でもいくつかお見かけしましたが、高笑いで登場した後、「天国なんてダサすぎるの Be Free」と言い放つビビッドピンクのスーツを着こなすお姿が美しくて、型破りで、言葉では言い尽くせない魅力を感じました。

 もうなんか、私これツイッターで何度も言っててまたかって感じなんですけど、本当皆さんBADDY観てください。
 宝塚を超えた宝塚がそこにはある。

グランドホテル

 それから、時系列的には逆になってしまいますが、グランドホテルのオットー。

 ベルリンの一流ホテルを舞台にした人生の悲喜劇のこもごもを描いたこの群像劇は、月組の一糸乱れない演技はもちろん、美弥さんの演じるオットーが作品の魅力を牽引していたと思います。
 (円盤化した幸運を、雪組の20世紀号に乗ってを経験して、しみじみ噛み締めました。素晴らしい作品が手元にあっていつでも観られる幸せ)
 1789やアーサー王で色気に満ちた役柄を演じていた人と同一人物とは思えない、へたへたのおじ様なのに、
それでも美弥さんが演じられているからか、どこか人目を惹きつける、不思議な生と死を行き来する境界線上のセクシーさ。
 仄暗く埃にすすけた明かりの底でも、触れたくなるような瑞々しい命の麗しさがあるんだと、世界が広がった心持ちになる作品です。

お茶会

 美弥さんの麗しさに心惹かれていた私ですが、白旗をあげて本格的に転げ落ちたのは某公演のお茶会です。
 友人に誘われて行った初めての美弥さんのお茶会で、果てしなく幸運なことに、某抽選で当たってお近くで贈り物をしていただいたことがありました。
 これまで私にとって、幸せというものは自分でつかみ取るものでした。
 受験も、就活も、ごりごりと努力して、そうしてようやく手のひらの中に鎮座してくれるものが幸せでした。
 それなのに、こんな人生で一番といってもいいくらい幸運なことが、勉強も面接もしていないのにポンっと目の前に現れて、もうはちゃめちゃに意味が分からないくらい動揺しました。
 惜しむらくは、どうせ抽選なんて当たらないだろうと思って、お洒落やメイクに自分なりの最善を当日尽くしていなかったことです。
 その日私は決意しました。
 これから、いつでもどんな場所でも幸運を真正面から受け止められるように、生きていこうと。
 いつ幸運は訪れるか分からないから、いつでも全力で受け止められるように、最善を尽くして生きていこうと。
 美弥さんの美しさ麗しさ瞳の大きさ距離の近さに脳内の言語中枢を真っ白にされた私は、その夜、近所のスーパーで訳も分からないまま、野菜ジュースと旬だったセリを買いました。
 たぶん身体が生きようとしていたんだと思います。
 人生哲学が変わった忘れられない日です。その節は本当にありがとうございました。今でも大切な大切な宝物です。  

エリザベート -愛と死の輪舞(ロンド)-

 エリザベートのフランツ=ヨーゼフと、アンナ・カレーニナのヴィロンスキーも素敵でした。

 エリザベートは、私は帝劇の2014年版を観て以来、本当人生が変わるくらいの衝撃を受けた演目で(冗談ではなくミュージカルに人生を支配されている女)、宝塚版もなんだかんだ明日海トート以来全部観ているのですが、月組エリザベートは新しいエリザベートの解釈を与えてくれました。
 美弥さんのフランツ=ヨーゼフは、たまたま皇帝に生まれついてしまった、本質は愛の人であると感じさせてくれる人物です。
 皇帝としての義務と人間としての愛の狭間で揺れ動くリアリティが実感をもって伝わってきて、「愛の巡礼」と呼ばれる美弥さんが演じたからこそのフランツ=ヨーゼフだと思いました。

Anna Karenina(アンナ・カレーニナ)

 一方アンナ・カレーニナは、遠征ができずに仕事の午後休をもぎとって映画館で千秋楽だけ拝見したのですが、美・美・美の圧巻の一言でした。

 「愛とは」という哲学者になったみたいな問いに頭を支配されながら、号泣した覚えがあります。
 映画館の一回だけではとても感想をかけない濃厚な劇でした。
 幸い、本日手元に円盤が来たので(もったいなくて開けられない)、これからゆっくり大事に何度も観賞しようと思います。

退団発表、そしてRurifull

 そして、アンナ・カレーニナの感動が覚めやらないうちに、1月に退団発表。
 仕事から帰宅後、家族の前で号泣しました。私なんかポッと出のファンなのに、何が悲しいのか分からないくらい泣きました。
 退団発表の涙が枯れないうちに、ガツンと横っ面をはられたのが写真集Rurifull。

 宝塚の男役って皆さん素敵なんですけど、定型の格好良さがあります。その定型にメロメロになっているファンなんですが。
 ただ、美弥さんの写真集この『Rurifull』は、宝塚男役の定型の格好良さに囚われない、性別にも何にも囚われない、なんかもう「美弥るりか」としか表現できない概念がめいっぱい詰まっているひとつの作品でした。
 それを既成の言葉に当てはめると「個性」「オリジナル」という単語になるのですが、そういった言葉で表現するのが申し訳なくなるくらい、「美弥るりか」という概念でした。
 宝塚の男役ってそもそも女性が男性を演じているので、その時点で性別を超えた美しさを身にまとってます。
 ただ、美弥さんの場合はもうその男役すらも超えていて、女性が演じている「男役」の枠からはみ出た女性性というか……。
 もう「男性」「女性」なんてめんどくせえ、美しいものは美しいんだ、と枠組みをすべて取っ払いたくなる「美弥るりか」の美しさでした。
 お洒落には疎い方なんですが、海外の超お洒落な雑誌を幸せのうちに眺めている気分になります。


 正直退団に対しては、終始劇団人事への怒りが低音のベースにあります。
 その低音のベースに、悲しかったり寂しかったり悔しかったりする感情が和音となって渦巻いています。
 ただ、『Rurifull』を見て以来、「宝塚というある意味狭い世界は、この感性を持っている方にとっては狭すぎるのかもしれない」という思いが強くなりました。
 ファンのマイナスの感情をポジティブに変換してくれた、魔法みたいな写真集です。

夢現無双、クルンテープ

 退団公演の武蔵・クルンテープは、関東住みで、現在体調が理由で遠征できないため、まだ観劇できていません(ライビュも結局観られなかった……)。
 東京公演を楽しみにしています。

 公演演目自体には色々な感想をお聞きするので、覚悟して観劇しようとは思っているのですが、美弥さんの麗しい姿を目に焼き付けるのを第一ミッションとして劇場に向かおうと考えています。

(結論)美弥るりかさんが好きです

 退団発表後、主に劇団の人事に対してどうしようもなくマイナスの感情が渦巻くファンに対して、
お茶会や各インタビューで美弥さんが発信しつづける言葉が悟られたように柔らかく明るく、日に日に美弥さんを好きになる毎日です。

 本当、今の月組って、どう転んでも難しい人事を各ジェンヌさんの努力とか呑みこんだ思いとかでぎりぎり成り立ってると思うのですが、
渦中にいらっしゃる美弥さんが発信する言葉は、自分自身が光を纏っているような不思議な輝きを持っています。
 このお方、本当に言葉を操るのが果てしなく上手だなって、毎回毎回天を仰ぎたくなる。美弥さんが発信する言葉は、自分自身が光を纏っているような不思議な輝きを持っています。
 それは多分順調なスター路線とは言いづらかった宝塚人生のなかで、唯一無二と言われる男役像を、もがきながらもご自身の手で獲得された経験が、こんなに巧みに言葉を選ばせるのだと思う。
 それがもう人間として果てしなく尊敬するしかなくなるのです。 

 今日の美弥さんの入り出の衣装、宝塚の伝統に則りながらも、美弥さんにしかできない華麗なファッションでとっても素敵でした。
 セルフプロデュースが本当に上手な方だな、と、毎回毎回驚かされる限りです。
 毎回毎回驚かされるって、ファンとしてこれ以上幸せなことがあるだろうか。

 今日の宝塚卒業公演で美弥さんが語られてた

「いろいろなことがありました。笑ったり、幸せだったり、泣いたり、そして歌ったり、でも、どれもいとおしい時間です」

 って、まさにグランドホテルの「これこそ我が人生」ですね。

 本拠地宝塚での卒業公演が終わっても、ディナーショーに東京公演に、また休む暇のない忙しい日々が始まるかと思うと、一ファンとして心配な気持ちと楽しみな気持ちが同居しています。
 例によってディナーショーもチケットが取れるわけがないので、円盤化を英断してくださったTCAの中の方々、本当に本当にありがとうございます。予約済です。

 美弥さんと、美弥さんのことを私よりもずっと近くで応援してきたすべてのファンの人たちが、東京公演千秋楽まで晴れやかに素敵な日々を過ごせますように。
 美弥さんの存在が人生のエネルギーになっているファンがここにもひとりいます。
 遠くからですが、東京公演千秋楽まで、その先も、ずっと応援しています。美弥さんの歩く道にいつだって花が咲き誇っていますように。

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