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住宅・不動産テック事業成長 虎の巻【エンプラ開拓編】

みなさんこんにちは。
リブ・コンサルティングの篠原です。

久しぶりの虎の巻シリーズとなりますが、
本日は、エンプラ(大手HM)開拓に関してお話できればと思います。

収益や知名度獲得で大きなメリットがある一方で、商談機会を得にくいのがエンプラ(全国大手HM・不動産ディべ系)です。皆様の活動のご参考になれば幸いです。

エンプラ開拓の難しさ


「エンプラ」の定義は大手ハウスメーカー・大手不動産ディベロッパー、「開拓」は本提案ができる状態とした上でお話いたします。

エンプラ開拓の難しさとしては大きく2つあります。
1つ目が、競合が多く、接点が取れないこと。
エンプラ企業は全体の1%にも満たないにも関わらず、数多くのテック企業がアプローチをしている状態です。対象となる企業はわざわざ自分から資料請求等の行動を起こさなくても情報が入ってくる状態です。
2つ目が、商談(本提案)までのリードタイムが長いこと。
決裁権を持つ人物に繋がるまでが長く、接点を持った人物が社内に働きかけてもらえない事も多いのではないでしょうか。

エンプラ開拓のポイント


そんな難易度の高いエンプラ企業の開拓のポイントをお話いたします。

開拓の方向性としては大きく2つ。
代表者や部門決裁者に対する直接アプローチする「トップダウン方式」と
展示会やイベント等で出会った担当者との面談を通じて上申を目指す「ボトムアップ方式」
です。

その中で、本業界においては「トップダウン方式」で開拓を進めるべきです。
理由としては、業界エンプラ企業の多くが、本部を中心に全国支店へのサービス導入の可否の権限を握っており、支店から上げてもらうことがほぼ不可能(ただ少額であれば支店ごとに意思決定可能)であるためです。

「トップダウン方式」での開拓のポイントは
法人内の『誰(Who)』に対して、『どのように(How)』接点を持つべきかを検討することです。加えて、その対象者に対して提案するプロダクトに価値があると判定されるよう準備することが必要になります。

まず、『誰(Who)』についてですが、大企業における決裁プロセスは複雑であり関与者数も多いため、“商談を効果的かつ効率的に進めてくれる社内人財”=「モビライザー」が誰なのかを特定することが非常に重要となります。
モビライザーとは「常に、求められる以上の成果を出す」「影響力の強い関係者にアイデアを発案する」「同僚や幹部から意見を求められる」といった特徴のある人物です。
いわゆる仲間として引き込めば導入推進に協力してくれる心強い存在だと思っていただければ大丈夫です。

次に、『どのように(How)』モビライザーと接点を持つかですが、
まず、社内の従業員、過去職歴のある人物、対象企業との取引が多くある外部の人物などを対象にインタビューを行い、社内の人脈マップを具体名で描いていきます。
それから、その人脈から数珠繋ぎでモビライザー候補者への接触を試みて、上申ステップを進められるか見極めます。

最初の接点はキーマンクラス(課長・係長)のモビライザーと接点・関係性を築き、部長→決裁者と繋いでもらうのです。


顧問会社を活用したエンプラ開拓


とはいえ、人脈から数珠繋ぎでモビライザーと接点を持つことは有効な一方で、時間もかかります。そこで顧問活用することも選択肢の1つです。メリットは大きく2つあります。
1つ目が今まで出会えなかった企業・経営陣/決裁者と出会うことが出来ること。
顧問活用をすると、出会いたくても出会えてなかった「企業・人」に対してアプローチ可能な人(友人や元同僚、取引先など)を選定することが出来ます。
2つ目が短期間で成果が出る(営業のリードタイムを短縮することが出来る)こと。
顧問活用をする際は、その決裁権者自身に直接アプローチする場合と、決裁権者の上司(社長など)からアプローチする場合があり、後者であると“上司から紹介された企業“という扱いになるため、決裁権者が優先順位を上げて対応してくれることになります。

具体的な進め方を4つのステップに分けてお話いたします。
ステップ1:企業選定と条件交渉
顧問選定企業との面談・各顧問会社と「期間」「契約形態」「価格」についての交渉を行います。活動状況によっては顧問の入れ替えを行うことが必要になるため、初期の契約を短期間契約(最短2ヶ月)にしておくことが望ましく、契約解除要件を事前に明確化しておくべきです。

ステップ2:顧問面談
顧問会社にご紹介頂いた顧問と面談を実施します。その際に、「商品を広めたいと思われるように製品訴求」と「顧問所有人脈を確認と人脈の質の判断」を行います。
顧問が自社のサービスにどれだけ共感してもらえているか過去に顧問活動で成果を上げているかの軸設定が望ましいです。

ステップ3:顧問選定
先程の選定軸(ターゲット先接点数、サービス共感度、過去顧問実績、人柄など)を基に顧問を最終選定します。目標アポ数から逆算して採用顧問人数を調整しましょう。

ステップ4:活動マネジメント
顧問会社、顧問と連絡を取り、期間内のアポ獲得をマネジメントします。
特に顧問が商品提案をするにあたってハードルとなっていることを聞き出し問題解決のサポートを行うことが大切になります。

おわりに


業界内の寡占化が進む中で大手のパワーがどんどん強くなっていっている住宅・不動産業界。
とはいえ、業界が絞られておりエンプラ企業の社数も少ない分、より個社の特徴を把握していけば確実に一つ一つ抑えていくことが可能です。
これ以上細かい内容は各個別企業の特徴や顧問先まで突っ込んで記載しなければいけないので難しいですが、ロングテールのSMBと巨大なエンプラの両方を押さえシェアを確実に上げていっていただければと思います。

株式会社リブ・コンサルティング
住宅・不動産インダストリーグループ
マネージャー
篠原健太

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