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とある日の星座占いの運勢が最下位と言われた子どもと1位だった私

ラジオを聴きながら朝食をとっていた、とある平日。

私は片頭痛に悩まされて朝食をほとんど食べられずにいて、
隣では子どもがグラノーラをじっくり見ながら食べていた。

グラノーラは私が料理ができない時のために用意してあり、
大好きなイチゴがたくさん入った子どもの好物でもある。

片頭痛で碌にラジオの音声が頭に入っていなかったが、
不意に子どもが、
「今日は、いいことないんだー!最悪ーっ」
と言って、椅子から崩れ落ち、
そのまま床に倒れこみ、丸まってしまった。

片頭痛に加えて子どもの様子にも頭が痛くなる思いで
理由を聞くと、
「占いで、今日の運勢は最下位って言われた!」
とのこと。

ラジオに意識を向けると、
星座占いランキングの説明が聞こえてきて、
その日のランキング1位は私の星座だった。

子どもが星座占いを気にする年頃になったのかぁ・・・

などという感慨は、その瞬間には思い至らず、
「頭が痛くて、ご飯食べられない人が1位って、
 どこがラッキーなの?!」
と反射的に言ってしまった。

子どもは、「ラッキーじゃない」と言って起き上がった。
それでも私の勢いは止まらない。

「だいたい、世の中に60億人くらい人がいて、
 星座は12あるよね?
 世界に君と同じ星座の人は何人いるの?」
「・・・5億人?」
「そう。5億人の人みんなに悪いことが起きるって
 きみは、真剣に思ってんの?」
「・・・」
「きみのクラスは、36人くらいいるよね?
 単純に考えたら、きみとあと2人が最悪な日になるわけど、
 毎日クラスで3人が大けがしたり、
 大失敗したりしてるわけ?!」
「・・・ない」
「だったら最下位っていわれて、
 絶対に悪いことが起きるって言えるの?」
「・・・ない」

片頭痛でイライラしていたこともあったけれど、
我ながら大人げない。
しかし、子どもは思うところがあるのか、
私の勢いに気おされてしまったのか、
椅子に座りなおして、グラノーラを食べ始めた。

「だから、最下位って言われたって、
 悪いことが起きるかもって用心するくらいで
 いいんだよ」
「わかった。転がって、ごめんなさい」

それから星座占いで悪い運勢と言われても、
子どもは、受け流せるようになった。
それでも、やっぱり、上位に来ると、
「やったー!いいことあるー!」
と、喜んでいる。

喜ぶ分には、まぁ、いいか。

<感謝の気持ち>
ねむ 様、素敵なイラストありがとうございます。
星空の絶妙な色遣いに一目ぼれしました。

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