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あの時の言葉が今の私を作っている


#あの会話をきっかけに

高校時代、私は、地元では有名な進学校に通っていました。が、成績は下から数えたほうが早い位置にいました。授業についていくだけで精いっぱいで、予習も終わりきらないまま、毎日を迎えていました。先生方は、聞けば教えてくれますが、聞きに行く時間すら取れないくらい、追われ続けていたように思います。それでも、周囲の勉強法を真似て、自分に合った勉強法を身につけられただけでも良かったのかなと思います。なので、大学に入ってからは、自分のペースでの勉強法を確立できました。高校時代に確立できていたら、こうならなかったのかな?と思ったこともありましたが、その経験があって、今の自分があるということも確かなので、よかったと思います。

そのおかげで、進学した大学では、素晴らしい先輩方に出会えました。この先輩方との出会いがなければ、働く、ということへの意識は変わらなかったように思います。

就職活動を控えた3年の秋のことです。所属していた部が創立40周年を迎えることとなり、私たちの代がメインで、式典を行うことになりました。一度は休部になったこともある部で、OBとの連絡手段も限られていました。そんな中、式典をやってみようと思い立ちました。なぜやろうと思ったかは、自分でもよくわかりません。勢いとノリというのが強かった気もしますが、OBの方々に会ってみたかったのかもしれません。そして、当日までいろいろと問題はありましたが、無事に式典を行うことができました。式典後は、年齢層で3グループぐらいに分かれて、2次会が行われていたようで、各OBに場所を聞き、あいさつとお礼を伝えに回っていました。そして、最後の代は、私たちの20代上の方々でした。私が第40代、その方々は、第22代から16代でした。

一通りお礼を申し上げた後、話は就職活動の話題になりました。バブル期から、氷河期を見てこられた方々のお話でしたので、聞いてみたいという気持ちが強く同席させていただきました。社会人になって苦労したこと、入社してからのこと、詳しくお話ししてくださいました。

その時に言われた言葉です。

「自分が10年後どうなっていたいか、会社での立場、自分のプライベートも含めて考えることが大切。そして、そこから逆算して。例えば、出世したいなら、いつまでにこの資格を取得する、とか具体的に目標が決めやすいよね。具体的でなくても、いつまでに、3年後までに、こうなっている!と決めると、自分の行動が見えてくるよ。あとは口に出す。自分は3年でこうなります!、とかね。宣言するといいよ。すると、周りの視線も気になりだすから、背筋がピッと伸びた気になる。利用できるものは利用する。自分の人生なんだから、自分で責任が持てればそれでいいんだよ。」

私たちの時は、少し氷河が溶け始めていると言われていましたが、それでも、5人に2人は就職が決まらないという状態でした。ですので、就職活動も、早く始めなければ!早く内定をもらわなければ!とにかく内定を!!!という状態でした。そこでどうしていきたいか、というのは余り考えられていなかったのです。OBと話したことで、自分は何がしたいのか、どういう企業なら、業種なら自分は頑張れるのだろうか、と考えるきっかけができました。

私は、なぜか、相手がホッとする瞬間が好きです。相手が、心から笑った瞬間、心を開いてくれる状態を作りたい、誰かの役に立ちたい、相手も、自分も心から笑える状況を作りたい、と考えています。OBが楽しんでくださっている姿を見て、この方々が頑張ってくれたから、今、私がこの部にいられるわけですし、縁や繋がり、を広げていくことの大切さを感じました。そう考えた時、私がこの思いを仕事として伝えられることは何だろう、と思った結果が、ホテルマンだったのです。学生時代に接客のアルバイトもしたことがない私が、まさかのホスピタリティの仕事を選ぶとは…と、自分でも驚いていましたが、OBとの会話で決心できました。

そして、今の仕事にもこの時の会話は活かされています。

前職でも、同じでしたが、自分の中で、5年後どうなっていたいかを考えます。そして、逆算して3年後、1年後、と自分がどの状態でないといけないのかを具体的に考えます。私は、前職でも、今の仕事でも、3年後には一人で指揮できるようになる、と決めていました。現在、次の現場では次席となることが決まっています。所長は、お金の面で交渉してくれますので、それ以外のすべてを担います。前職も、マネージャーに事務処理などの仕事を任せ、私はレストラン、全宴会場の采配をしていました。

いつまでに!と決めると、そこまでに到達するまでのスピードが変わると思います。わかっていても、なんとなくで済ませていた学生時代に、社会人の心得を教えていただいた、OBからの大切な助言です。あの会話がなければ、ここまで思い通りに仕事できていなかったのではないでしょうか。人との比較よりも、自分を信じて動くことが、スピードを上げる手段です。

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