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結婚する前のこと
旦那と出会ったのは、職場です。というか、現場です。
私は監督で、旦那は職人です。旦那は、私と出会う半年前に離婚したばかりでした。離婚から1年後には、子供ができたので結婚したのですが、結婚前からも、本当にこの人でいいのだろうか?と思うことは度々ありました。その違和感を払拭しないままだったので、こういう結果になってしまったのですが…
とにかく、旦那も義母も前の奥さんのことを悪く言っていました。確かに強烈な性格だったようなので、奥さんにも問題はあったのかもしれません。ですが、この親にしてこの子あり、という親子同士の結婚でもあったようです。詳しくは伏せますが、この夫婦関係の中では、旦那は下だったようで、なぜ、男の自分が下に見られるのか!と不満があったと話していました。
私が思うに、特に夫婦間においては、どちらかが上、下、という立場になった時点で、夫婦関係は破綻しています。理想論かもしれませんが、長所も短所も含めて、夫婦となったからには補い合い、助け合わなければならないはずです。相手を、ひどいときは、下僕のように、奴隷のように扱う、あってはならないことです。
付き合っている段階から、優しくはありましたが、違和感ばかりでした。
私は、両親から、同棲は不可!と言われ続けていたことと、私自身もあまり気にしていなかったので、同棲する気はありませんでした。しかし、旦那は同棲を希望します。しかも、旦那の実家に、です。義父はすでに亡くなり、義母だけでしたが、結婚の話も出ていないのに、義母と同居!?と慌てたのを覚えています。結局は、同棲と言っても、私の家に転がり込む形でおさまりましたが、何度も何度も、「仕事をやめろ、レジ打ちでもやれ!」と喧嘩のたびに言うのです。
レジ打ちを馬鹿にしている様子でした。レジ打ちの仕事も大変です。入力ミスが起きれば、多大な被害を生みます。いろんなお客様を相手しないといけません。シフト制なので、常に自分の希望通りに休むことなんてできません。他に働く人の迷惑です。
なんども説明しましたが、自分が職人しかやってこなかったこと、そういった仕事の経験がないので、理解できないのです。とはいえ、義母は接客業でしたので、義母も何度か一緒に話をしてくれましたが無駄でした。彼にとって、自分の理解の範疇を超えてしまう世界は、なんの意味がないのです。
そして、私が学生時代の友人の話をすれば、その友人を馬鹿にしていました。これも同じように自分の知りえない世界の話で、彼にとってはつまらない話なのでしょう。
こういったとき、彼から発せられる言葉は、私を傷つけるものでした。
「お前にはつまらない友達しかいないんだな、つまらない世界で生きてて楽しいか?」
いつしかこの人と結婚するのかと思っていた私には、この人に嫌われないようにしなければ…という意識が芽生え始めていました。
これが洗脳の始まりでした。
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