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コーヒー2050年問題

コーヒー2050年問題をご存じですか?

2050年までに気候変動によって世界で70%飲まれていると言われるアラビカ種のコーヒー豆生産に適した環境の50%が失われるという現状があります。

以下の図のように、世界最大のコーヒー生産国はブラジルですが、この内60%の土地がコーヒー生産に適さなくなると言われています。

出典:Internatuonal Coffee Organization

一方で、昨今のコーヒーブーム、コンビニチェーンでの消費拡大、新興国(中国、インドなど)での消費増加により、需要は増えると予想されています。

起こりうる問題

1) 生産量及び品質の低下

コーヒーの栽培はコーヒーベルトと呼ばれる地域の生産が適していると言われています。
この地域は、「乾期」と「雨季」があり、この差があることでコーヒーが成熟するとされています。一般的に雨季で成熟、乾季に収穫となりますが、気候変動により雨季と乾季の差が無くなると、未成熟なコーヒーが多くなり、生産量や品質低下に繋がるリスクがあります。

2) 価格高騰

生産量が少なく、高品質の豆も少なくなればコーヒー価格は当然ながら高騰します。一方で需要は増え続けることが予想されており、コーヒーが身近な飲み物でなくなる可能性があります。

3) 生産者の減少と貧困

コーヒー生産に適した地域が少なくなることで、生産コストの増加にも繋がり、生産者が減ることが予想されます。
一方で、生産を続けたとしても生産量が少なく、儲けが少なくなることは必至で、マーケットに流通するコーヒー価格が適切に生産者に転化されるかどうかの問題も孕んでいます。

1人1人ができること

気候変動は思ったよりも早く進んでおり、実際にコーヒー生産量の減少などの問題も顕在化してきています。

コーヒーだけでなく、他の作物や環境影響もゆっくりと顕在化してきているため、1人1人が意識して、行動すべき時期に来ていると思います。
例えば

1) ゴミを減らす=焼却によるCO2削減
2) サステナブルな製品を意識して使用する
3) 省エネを心がける

など、意識すれば取り組めることも多くあります。
以下のように、地球の気温は上昇を辿る一方になっています。

出典: NASAの研究より

コーヒー業界としての取り組み

WORLD COFFEE RESERCHという機関が「International Multilocation Variety Trial」という取り組みをしています。
日本のキーコーヒーさんも参加されています。
気候変動に対応した品種の研究や改良を進めるというものです。


フィンランドは世界でもコーヒー消費量が多いですが、フィンランド技術研究センターで「培養コーヒー」と呼ばれるコーヒーの細胞を培養し、それを焙煎してコーヒーを作るという取り組みをしています。
農地が必要としないということで、注目される技術です。

また、日本でも沖縄、喜界島、岡山な国産コーヒー栽培に取り組まれています。
ある意味気候変動により、コーヒーベルトが北上しているとも言えますが、まだまだ生産量も少ないようです。

コーヒーを通じて、地球環境に目を向けていただけますと幸いです。

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