ブルーカーボンとは?
ブルーカーボンとは海域で吸収・貯留されている炭素のことで、2009年に国連環境計画(UNEP)によって定義された言葉です。
陸地で吸収•貯留されている炭素は、グリーンカーボンと読んで区別しています。
ブルーカーボンが注目されている理由
IPCC第4次報告書にによると、グリーンカーボン比率は12.5%に対し、ブルーカーボンは30.5%とされており、二酸化炭素の吸収や貯留量が多いと考えられているためです。残り57%が大気に放出されていることになります。
一方で、これまでは海洋には吸収もするが、放出もするということではっきりわかっていない部分も多かったのですが、研究が進み貯留についてのデータが分かって来たということが背景にあります。
ブルーカーボン生態系と呼ばれ、海草や藻類、干潟、マングローブ林がブルーカーボンの代表とされています。
ブルーカーボンのメリット
1) 自然に作られる生態系の作用
海草、藻、マングローブなど自然のバイオーム(生物群系)が二酸化炭素を吸収、海底に貯留する作用であり、人が介在しないかつバイオームとしての寿命が陸地のバイオームと比べ格段に長く、数千年とも言われています。
2) 長期間の貯留が可能
吸収された二酸化炭素は、生物中に有機炭素化合物として、最終的にはバクテリアなどに分解されない難分解性有機炭素の形で海底に貯留されます。これは数百〜数千年単位で貯留されるポテンシャルがあると言われています。
このことから、ネガティブエミッション(マイナス排出)と言われています。
ブルーカーボンの問題点
ここまで聞くとカーボンニュートラルやカーボンネガティブに有効な対策のように取られますが、当然ながら問題点も存在しています。
1) バイオームの減少
人による沿岸部の開発やプラスチックごみなどにより、ブルーカーボン生態系が破壊されています。
UNEP(ユネップ)の報告書によると、年間6-7%の生態系が減少しており、熱帯雨林の減少の約4倍にも相当すると報告されています。
人が介在しない生態系であるため、一度破壊されるともとには戻らない可能性が高いと考えられています。
2) 海洋酸性化を引き起こす可能性
二酸化炭素が海洋に溶け込むと、水素イオン(H+)と炭酸イオン(CO32-)に分かれます。
実際に海の酸性化は進んでいます。
このまま二酸化炭素が増えると、海洋酸性化が進むと、海中のカルシウムイオンと反応する炭酸いイオンが減少し、炭酸カルシウムが減少していきます。
そうなると、炭酸カルシウムを骨格とする貝類やサンゴ、うになどの成長が阻害されたり、未成熟のまま捕食されることで、絶対数が減少する懸念があります。そうなると、これらを餌とする魚類の減少にも繋がると危惧されています。
漁業や養殖業にも多大な影響があるとされており、既にその影響が出始めている話も聞きます。
三重県でも伊勢海老の漁獲量が大幅に減少したというニュースもありました。
3) 不確定な部分が多い
まだまだ研究段階であり、解明されていない部分も多いのが現状です。
何をすべきか?
ブルーカーボンが注目されているのですが、ここが崩壊すると地球の二酸化炭素バランスは大きく崩れる可能性も孕んでいます。
結果として、人の生産活動による影響で「最後の砦」とも言えるブルーカーボン生態系の危機にもなりつつあります。
原因は人の活動による二酸化炭素増加と海洋ゴミによるものであり、企業や研究機関だけが取り組む問題ではなく、消費者であるひとりひとりが少しでも意識を変えていく必要があります。
難しい問題に聞こえますが、ひとりひとりがアクションを起こせば大きな力になると信じています。
当店が取り組んでいる
1) 脱プラスチック(マイカップ/ボトル活動)
2) ゼロウェイスト(ごみゼロ)
3) サステナブルな製品を選ぶエシカル消費
まずはここから、お客様と取り組んでいければと考えています。
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