胸の石灰化
帰宅した私は夏に届いていた診断結果を確認した。
「マンモグラフィ検査、微小円形、区域性の石灰化を認め左カテゴリー3と判定しました」とあった。
全てが未知のワード。そこからはダメだと思いながらも調べまくってしまった。
ネット社会の弊害。気持ちがどんどん堕ちていった。どうしよう…。
微小円形石灰化は形状のこと/良性寄り
区域性は分布のこと/悪性寄り…
5段階評価の真ん中をとってカテゴリー3といったところなのか?カテゴリー3自体の良性率は比較的高そうに見える。ただ区域性の評価が怪しい。マズいな。
コレは素人が文献を読み漁った末の理解。不安。不安。
とにかく自覚症状が全くない。診断結果と自身の良好な健康状態が全く釣り合わず、完全には頭に落とし込めなかった。
海外に行く予定があった。春先には別の旅行も。4月からはじめたいことにも足を突っ込みかけたばかり。
やめて欲しい、私の楽しみを奪わないで欲しい。ほんとに困る。
そこから年末のイベントを楽しみながらも、連続して眠れない悶々とした夜を過ごして数日経った。
そして
検査はこれから
今考えても仕方ない
1月9日までは極力考えないようにしよう
それまでは目一杯たのしもう
わたしは大丈夫!
短期間で初めての事柄について考えすぎて疲れたんだと思う。いつもの根拠のない自信が勝ち、気持ちを切り替えることに成功した。いま振り返ってもここでの気持ちの切り替えはとても潔く男前だった。
とはいえ脳裏から病を全く消せたわけではなかったが、年越しまでの時間は比較的心穏やかに過ごせた。10年ぶり位のカラオケに付き合ってもらったりなんかして、ワイワイ過ごした。
ただ、ひとりになると
来年わたしはどんな年末を過ごしているのか。どうか今のような平穏な日々でありますように…。
そんな事はおもっていた。
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