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トランス差別記事について、WANにお問い合わせしました

 お問い合わせの本文を以下に公開します。

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WANのサイトに2020/8/12付で掲載された石上卯乃氏のエッセイ「トランスジェンダーを排除しているわけではない」には、トランスジェンダー(特にトランス女性)の生活実態を踏まえず、あたかもトランス女性をシスジェンダー女性の安全を脅かす存在かのように描き、トランス女性とシス女性の対立を煽るような表現が多数含まれています。
また、シスジェンダーはトランスジェンダーより社会的に強い立場にあるにもかかわらず、そんな権力関係を自覚し反省することなく、あたかもトランスジェンダーを審査する権力をシスジェンダーの自分が当然持っているかのような傲慢な表現も、当該エッセイには含まれています。

WANとしては、寄稿記事の内容について責任が取れないということを承知しておりますが、同時に、差別的な記事を掲載しないという方針もあると存じ上げます。したがって、前述のような対立と分断を煽る、差別的なエッセイを、WANは掲載に踏み切ったという事実について、普段から女性、ジェンダー、セクシュアル・マイノリティのことを深く考えている一人として、深く心が痛みます。

2020/8/17付で、「ふぇみ・ゼミ×トランスライツ勉強会」という団体から、WAN宛てに、当該記事に関する公開質問状が送付されました。公開質問状に書かれている10か条の質問は、私をはじめ、ジェンダー問題、人権問題に関わる多くの人たちが知りたいと願っている切実な内容だと思います。WANの影響力に鑑みても、編集者としての責任を取り、当該質問状に対して誠意ある返答がなされるべきであり、またそのような返答が実際になされることを、心からお願い申し上げます。

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