見出し画像

メランコリックケニヤン feat.みうらじゅん

渋谷の公園通りから一個中に進んだらみえる紅茶が美味しい喫茶店ケニヤン。

たまに仕事中に近くを通りかかるので、その時はクタクタな私にティーポットでも出してかくまってくれよ、と恨めしそうに眺めるのである。半地下だから上手く身を隠せるじゃないか!と。

その日はめずらしく夕方に仕事が終わったのですぐさまケニヤンに足を向かわせる。

お腹がペコペコなので初めてのフードメニューを注文。

山の木の子のクリームソースパスタ。「木の子」?ああきのこ!!

アツアツの器につゆだくクリームソース。いつもの肌の焼けた店員さんが運んできた。お気に入りのワンピースに跳ね飛ばさない様に、慎重に麺をフォークに巻きつける。木の子はちょっとニンニクの味付け。いいアクセントだ。

ペロリと平らげたが私のお腹は貧相な胸より出っ張っている。

セットで頼んだドリンクが運ばれる。

チャイティは知ってるけれど、チャイミティってなんなのかよくわからなかった。

想像より随分と甘かった。コーヒーはブラック、紅茶は無糖。甘い飲み物は全く飲まないので慣れない気持ちになったけれど優しい味がした。

お腹は出っ張っているが食後のケーキは欠かせない。食事とセットで300円のブルーベリーチーズケーキ。

ケニヤンに来れば、チーズケーキは欠かせないのである。

お口が甘ったるくなったところで鞄に仕込んでいた単行本を取り出す。

メランコリックサマー みうらじゅん。

これは太陽がジリジリ暑苦しい日に、何か涼しいものを求めてTUTAYAに逃げ込んだら出会ったエッセイだ。

表紙は海に足をつからせてこちらを見つめる女の子がなんとも涼しげで強く惹かれた。いわゆるジャケ買いだ。爽やかでピュアな物語が広がっているんじゃないかと。。。

著者の名前に不信感を抱きつつも購入したが、やっぱりみうらじゅん。中身は変態のエッセイだ。

“人生の3分の2はいやらしいことを考えていた。“今のところ、全部のお話の始まりはこの1文だ。この変態め!まんまと騙された!

だけれど、小学生男子がそのままおじさんになったみたいな、さらりとした大人の下ネタはなかなか面白いのである。笑い堪えるのに必死な私。

これはクーラーの効きすぎた実家のリビングの、ヒヤッと冷たいフローリングにゴロンと寝転がってゲラゲラを腹を抱えながら読むのが気持ちいいはずだ!と思ったものの、

美容院でも、電車の中でも、持ち出してはニヤニヤしている私がいるじゃないか。完全に変態の仲間入り、その事実はちょっぴり憂鬱にさせてくる。こうしてプロの変態の手によって、変態人口はじわじわと増加しているのかなあ。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?