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「学び直し」の手段としての大学院の齟齬

※当たり前ですがわたしの個人的な感想です。

今回は,社会人をやり大学院に入ってきた学生と研究室で共存することになったわたしの思うところを書いていきます。巷に社会人大学院入学を希望している人向けのtipsは多いですが,その人たちの周りにいることになる学生側の感想はあまりきかないなと思い筆をとっています。
社会人大学院生といっても,会社に在籍しながら大学院にも籍を置く人や,会社を辞めて研究者を目指す人,主婦や定年後にくる人などさまざまな人がいます。
その中で,修士課程までストレートに進学した上で社会人(この単語は社会の構成員全体を含む言葉ですが本稿では学部を卒業後にそのまま修士課程or修士課程を卒業後にそのまま博士課程に進学しなかった者と定義します)になっていたり,学部時代に研究室に配属されていた人は,大学院や研究室が何をする場所かはおおよそ理解した上で大学院に来ると思うのですが,そうではない人は,その人が抱いていた理想の大学院像・研究室像と実際のギャップが大きい場合が多いのではないかと思います。
(このような人は大学の構造上,いわゆる理系学部よりも文系学部に多いです)
そのようなギャップは本人からしても辛いでしょうが,周りも辛い(場合がある)ということをこの記事では愚痴ってアピールしていきます!

1,「面倒をみてくれない」と愚痴愚痴言ってくる・逆ギレする

これは学部から社会人を経ずにそのまま大学院にきた学生でもいますが,大学院の求めていることを勘違いしており,丁寧に教えてくれないと駄々をこねます。
学部からそのままきた学生は年下なのでまだ良いですが,年上のこともある社会人大学院生がこれをやると,周囲の先輩たちは扱いに困ります。
会社などは社員がそれぞれの場で利益を出す必要があるため先輩が後輩を責任をもって指導する仕組みがとられていますが,大学院では(共同研究以外では)個々の学生の研究は独立であり,助言はしても指導はしません。
助言をするかも自由です。
わたしはあなたに対して丁寧に教える係ではないです。

2,不必要に「社会でやってきた」「年上である」アピールをする

社会人大学院生にとっては年下の先輩や,年上・同い年だけど社会人経験のない先輩ができることが常です。
年下なのに先輩として振る舞っていることが気に食わないのか(?)さまざまな場で年上アピールや社会人経験があるアピールをしてきますが,それは何の意味があるのでしょうか。
研究室内や学会関連の慣習・ルールについて「社会でそれは通じないよ!!?」「社会だとこうだよ!!」とコメントをいただくことがありますが,研究室や学会は社会ですし,あなたが言う社会はあなたの周囲というだけであり,その狭い界隈でのみ通じるルールであると思われるため,研究室や大学院に所属したからにはこちらの慣習やルールに従ってくださいと言いたくなります。
(本当に間違っているものなら指摘を受けて正した方がいいです。でも・・・)
もっと学年相応な振る舞いをしようぜ!!

3,学問を否定してくる

大学院に入る前に抱いていた研究分野の学問体系と実際にギャップがあると,我々現役の学生たちの研究の仕方や貢献する先に対して突っかかってきます。
似ている学問分野であっても何に重点を置いているか・どのような貢献が求められているかってその分野によって異なりますし,分析の方法や作法についても日々進歩しているため社会人大学院生が学部生時代に習ったものが既に古くなっている場合もあります。
そして自分がしたいことができないとわかると,周囲に対して攻撃的になる人もいます。
研究者が積み重ねてきた学問を否定できるほどお前はすごいのか?と言いたくなります。別の研究科への再受験はいつでもできますよ!といつも言いそうになります。

うーん,ここまで書いて思いましたが,わたしの研究室にいる社会人大学院生がおかしいだけで一般的ではない気がしてきました。笑
(実際に他にも周りに社会人大学院生いますがいい人が多いですし!やっぱ流石に大人だからね。)

つまり何が言いたいか?

学部生のうちに,将来は研究者になりたいな!将来は大学院進学したいな!と少しでも思うなら,修士課程行ってからや研究室に所属してから(社会人になりたいと思ったら)就活しましょう!!!!
大学院に対してあなたが抱いているものが実際とはことなる都合のいい理想の可能性があるので,修士課程にいってみて研究というものを理解した上で社会人になった方がいいのではないでしょうか。
現在の新卒一括採用と高等教育の重要性の高まりという現状を鑑みると,学部→社会人→修士課程合わなくて就活というルートよりも,学部→修士課程→就活のほうが(客観的な)価値も上がりよりよい企業に就職できる期待値が高まります。ライフプランの決定も後者の方がしやすそうです。
何よりも,大学院にいけばよかった〜との思いを抱えながら社会人を過ごさずにすみます。

大学院は人に教わることがメイン機能である機関ではない!!!!
人に教わりたいなら学部生や学部の聴講生になった方がいい。
研究室の先生も先輩も学生や後輩に対してある程度自走してほしいと思っているので,ヒントは出すが懇切丁寧に教えることはしないし,丁寧に教えてくれなかったとしても逆ギレをしないでほしい。(特に,先輩は後輩に対しての責任を負う立場ではないです)

学び直しをしたい!なら自分が何を求めているかを本当に考えてほしい
わたしはそもそも「学び直し」という言葉が嫌いですが(人生は常に学び続けるものだと思います),学生時代に取り組んでいたことの延長がしたいのか,異なるものをしたいのか,教わりたいのか,ヒントだけ欲しいのか,資格が欲しいのかetc.によって選ぶ場は変わると思います。
学士号は持っているから自分が次に学ぼうと思ったら行く場所は大学院だよね〜とか安易に考えて大学院に来ない方がお互いにいいと思います。
学部時代の専攻と異なる分野のことに興味があって学びたいと思うなら,まずはその分野の学部生になるか聴講生になるかをした方がいいと思います。(それぞれの分野が何をやっているかって案外外から見たらわからないので,自分がしたいことの重点がその研究科になかった・学問体系が異なったと後から気づくことはとても悲惨です。でもこういうのって大学院説明会にいっただけだと分かりづらいです)
ちゃんと自分がやりたいものはその分野の研究であると(院試を受ける時点で)思えるなら大学院に来るべきです。

研究室では「同じ分野」の「研究」に意欲ある社会人大学院生と熱いディスカッションして過ごしてえよおおおおおおおおおおおおおお

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