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わたしの人生を変えた(かもしれない)1冊について― 後編 ―

前編では、「断捨離」をしようと思ったきっかけと
モノと向き合うようになって生じた変化についてお話ししました。

後編では「ヒト」や「コト」と向き合った結果についてお話しします。



モノを捨てればうまくいく 断捨離のすすめ
やました ひでこ【監修】/川畑 のぶこ【著】
同文舘出版


モノだけに限らない

断捨離を通してモノとの接し方が変化したのはまず喜ばしいことですが
「ヒト」や「コト」との関わり方も私の中で変化していきました。

「ヒト」の例では高校時代からの(元)友人がそのひとつです。
(以降、仮に《A》とします)
職場が近かったこともあり、仕事終わりに食事を共にしたり休日に出かけたりと、よく遊んでいました。
ただ「《A》といるとなんか疲れる」と感じる自分もいて。

あるとき、「転職したばかりでキツイからお金貸して」と言われました。
「毎月ちょっとずつでも絶対返すからお願い」と懇願され、モヤモヤを感じながらも貸してしまいました。
それ以前にも「バス代がない」だの「定期券を買うのに少し足りない」だの少額を何度も貸していて、それすら返されたことがなかったので、もしかしたら今回も返ってこないのでは、と思いました。
食事代を多く出してくれたこともあるし、それでチャラにされているのかも、モヤモヤに言い訳してみましたが、貸した額は安月給の自分にとっては大金でしたから、かなり痛い出費ではありました。

予想通りというか、「毎月ちょっとずつでも絶対返す」と言ったにもかかわらず、半年経っても《A》からは1円も返ってきませんでした。
それどころか、「バーゲンで安かったん!★万が■万になってたんやで!」
お高い洋服を自慢してくる始末。
「バーゲン行ってる余裕はあるんかい!
 なら、とりあえずその差額を返せ(心の声)」
このブランド物自慢にはさすがにイラッとして、何としてでも取り返す決意をしました。
どんな手を使ったかというと
「今月キツくてカードの引き落としできんから、この前のお金返して」
でした(直球です)。
ちなみにカードの引き落としのくだりは嘘です。
無計画にカードを切ることなどないので。
借りた自覚はあったようで、耳をそろえて返してもらいました。

恋人もいて、友人も多い《A》が、なぜ私から借りようとしたのか興味本位で訊いてみました。
「彼氏に借りたら対等じゃなくなるし、友だちには心配かけたくないから」
なるほど。利用されていただけということか。

この一言がきっかけとなり、私は友だちを断捨離しました。

「お友だちは大事にしなさい」
ええ、ごもっともです。
「仲良くしていたはずなのにそんなことで縁を切るなんて心が狭過ぎる」
とお叱りを受けても反論できません。

ですが私は、無理して付き合うことをやめました。
恋人との別れ、配偶者との離婚、家族との不和・・・
それらはこの世界中で毎日起きていることで
その相手が友人であってもおかしくはない、と思うのです。

執着を手放す

「コト」に関しても人生を左右しかねない決断をしています。
20歳から10年間勤めた会社を辞めたことです。

ずっと契約社員で頑張っていました。
直属の上司から、次の正社員登用試験を受けてもらうから勉強しておくように、とお達しがあり、「やっとだ」と思った矢先のこと。
人事担当者との面談で「親会社の意向により、今後、今いる契約社員の方々を正社員にする予定はなくなったので、辞めたければ辞めてください。」と言われてしまいました。

この仕事にはやりがいを感じているし、同僚からの信頼も得ている。
それに今まで頑張ってきたのだから・・・
契約社員の扱いの軽さを実感するたび、何度も転職を思案しながらも
目の前の仕事と仲間たちに対する執着心から、二の足を踏み続けてきました。

でも、これ以上頑張っても報われないかもしれない。
いよいよ身の振り方を考えるべきか悩んでいると、異動の内辞が出ました。
私にとってどうしても納得できない人事だったので、ついに退職することを決めました。

上役たちは、まさか私が辞めるとは想定していなかったようで、面食らっていましたね。

同僚とは良い関係を築けていたので、それだけが残念でなりません。
ですが、先に辞めていった仲間たちもそうであったように、空いた穴は案外早い段階で塞がるものです。
退職してしばらく経った頃、元同僚と話す機会があり、「《後任》さんは何をするにも遅く、《ゆう》さんに頼めばその日のうちにリターンがあるようなことでも何日もかかって困る、って皆言ってる」と言っていました。
そんなことばかり何年もやっていたのだから当然です。
リップサービスかもしれませんが、たったの1人でもそう言ってくれた人がいたのなら、私の10年間は無駄ではなかったのかな。


まずはシンプリストを目指したい

断捨離前は収納用品が大好きで、いろんなメディアでおすすめの商品をチェックしてはいそいそと100均へ赴き、特に収納したいモノもないのに入れ物ばかりが際限なく増えていきました。

断捨離を初めてからは、収納用品をむやみに買い足すことをやめ、整理したい場所と収納したいモノのサイズを測って収納計画を立てるようになったので、見かけの上ではすっきりした状態を保つことができています。

しかしまだ満足できるレベルではありません。
心配性なのでどうしてもモノが多くなりがちなのです。
加えて田舎暮らしですから、必要なものがすぐ手に入る環境ではなくて。
「これは多分いらないよな」「でももし・・・」のループです。

ミニマリストにはなれなくとも
もう少しすっきり身軽になりたいものです。
でも、自分にとって心地よいモノは無理に手放さない。
シンプリストがちょうどいいかもしれません。

おわりに

人の生き方、価値観は様々です。
私には「断捨離」がはまったというだけで
万人に推奨するものではありません。

モノが多くても少なくても
友だちが多くても少なくても
それが心地よいのならば正解です。

たいせつなのは、ぶれない自分軸を生きて
いつも「ごきげん」でいられることではないでしょうか。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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