田舎に嫌気がさしたので、40台だった偏差値を85(全国模試1位)にして早稲田に進学した話❷


「高橋なら早慶くらい余裕だよ」

そんなAの言葉を最初は真に受けるはずもなく、

特段勉強を頑張るということはしませんでした。

Aもそれ以来、特段この件については何も触れず、

僕自身もまあそういうジョークみたいなものだったのか。

その程度に考えていました。


そんな状況もあり、とりあえず高校生らしいことをして

過ごした方が良いかなと考えた僕は

ほかの友人からの誘いもあり、

ちょっとだけ音楽に手を出してみたりとか、

地元のイオンに行ったりであるとか、

なんとなく日々を過ごし、気づけば高2の夏になっていました。


高2になりAとは別のクラスになったため、

以前と比較するとAとの関係は疎遠になっていました。

そして夏休みが明けて

早1週間が経ったあと、

Aが高校に登校していないという噂が流れるように

なりました。

最初はまさかと思っていた僕ですが、

たしかにクラスをのぞいてみると

Aは登校していない様子でした。


どうしたのだろう。


純粋に心配になり、

取れる手段は大方駆使し、

連絡を取ろうとしたのですが、

Aと連絡を取ることはかないませんでした。


そして気づけば1ヶ月弱が経過し、

出席日数の関係からAがこのままだと

留年するかもしれないという噂が

流れ始めました。


「いや、さすがにやばいよな。高校生で留年て。

 ほんとうにAはどうしたんだろう」


そんな疑問がふつふつと日常に歪みをもたらし始めていたある日、


携帯に1件の着信がありました。