内界にて
私の内界は基本的になんでもありにしている。
そのため愛は第二形態になれるし、外界では負わない怪我なども負うことができる。
愛の第二形態は人間に比べると圧倒的に上位種族で、見た目はまるで天使だが攻撃力が異常に高い戦闘能力に長けた種族だ。
必殺の大技を撃てば反動や隙は大きいものの、東京くらいなら壊滅させられるほどの規模。
そして玲について、の記事をあげた後に気づいたことだが玲は素の身体能力が人間の比じゃないらしい。
実際計ったことはないので恐らくだが、100メートルを3秒ほどで駆け抜けるくらいだと思う。およそあのチーターと同じくらいだ。到底人間ではない。
更に奥の手を使えば(恐らくこれは愛の第二形態同様内界のみ)物理法則を無視した動きができるらしく、目で追うことも叶わないだろう。
そんな人外二人にある頼み事をしてみた。
「内界で戦ってみてほしい」と。
二人とも血の気が多いのか私からの頼み事に弱いのか、二つ返事でOKを出してくれた。
愛の第二形態の力で内界が壊れたりしないように防護魔法を使ってフィールドを作ってもらい、その中で戦ってもらうことになった。
二人とも不死身なため勝利条件は「相手を倒れさせる(戦闘不能にする)こと」に決め。
結果、玲の2連勝。
初戦は愛が大技を撃とうとしてその隙に玲の素早さを生かした動きで瞬殺。
2回目は更に防護魔法を張った上で大技を撃とうとしたがそれも破られ負け。
『なんで!?私が使える最大の防護魔法張ったのにそれが破られるなんて玲の武器、ただの武器じゃないでしょ!!』
などと供述。
玲は種明かしをするつもりはないらしくニコニコしているだけ。
私的には戦闘している2人が見られただけで大満足なのだが愛はそうもいかないらしく、私と作戦を考えて欲しいと頼んできた。
そこで私が提案したのは「いくら大技へのリソースを減らしても確実に倒せるのだから、最大限大技への力を減らして防護魔法に全力を注いでみては?」というものだった。
そして今日、その作戦をもってリベンジを挑んでみたところ見事に勝利を収めた。
玲も玲で対策しようとしたらしく、初手から奥の手を使って物理限界を超えた動きをしてきたものの、全力の防護魔法をダガー1本のみで破るのはさすがに厳しかったらしく大技が放たれた瞬間諦めたように静かに目を閉じていた。
2連敗した時は『ゆらにカッコイイところ見せられなかった』と落ち込んでいたので無事に勝てて私も安心した。
戦っている2人を見るのはとても楽しいので、今度は違う勝利条件をつけたり縛りを設けてみても良いかなと思っている。
それぞれ大技と奥の手を使って疲れきった二人に初めて「気を分ける」という方法を試してみたが、どうやら精神的にも体力的にも回復するらしい。玲は〈心地が良い……〉と気持ち良さそうにしていた。
愛に気を分ける時だけ抱きしめたので玲からは突っ込まれたが、彼女なので特別扱いは許してほしい。
ただ、その日の体調によるものか気を分けたことによる弊害なのかはわからないが、その後全く内界に集中できなくなり、外界でも疲れやすくなったように思う。
まだ初回なので試行回数を稼がないとわからない問題だしこれからも積極的に気を分けてみようと思う。
今日はこの辺で。
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