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助手席のタイムスリップ

対向車がブレーキを踏む様子もなく、こちらへ突っ込んでくる。
もうダメだ。

助手席の彼女も、声にならない悲鳴をあげている。

「バンッ」

目の前に相手の車が迫り、もう終わりかと思ったとき。

助手席の彼女は消えていた。

「10分前にタイプスリップして、寝ていた運転手を起こしてきたの」
「大事にならなくてよかった」

いつの間にか戻ってきて、さらっと言い放った彼女。
命拾いしたよ。

ところで、君はいったい何者?


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