見出し画像

世界一しょぼい貯金箱

私は幸子(さちこ)。近くの小学校に通う3年生だ。

歳末の大抽選会で、3等で当たった貯金箱。
ピンクのブタの形をしている。ちょっとベタかと思うぐらい。

頭のボタンを押すと、ブタがしゃべった。
「あまり期待しないでくださいね」

ずいぶん控えめな貯金箱だ。

私は500円玉貯金を始めた。

半年経ったら、ずいぶん重くなっていた。

「ブー」

貯金箱が突然鳴いた。
どうやら目標達成したようだ。

ただ、それだけだった。

ブタは、また沈黙してしまった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?