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ニュースでよく聞く英単語

ニュースは専門用語などの少し難解な単語に接する最も身近な場所かもしれません。視聴者にわかりやすく伝えつつも一貫性を欠かないために、独特の言い回しを多用することがあります。

英語のニュースでもそれは同様で、英語のニュースを読んだり聞いたりすることの難しさは単語を知らないことから生まれるのかもしれません。これら独特の言い回しを幾つか知っているとニュースの内容がずっと理解しやすくなります。

今回は私が日頃Podcastなどを聞いていて「日常生活では聞かないけど、ニュースでよく聞く英単語」を幾つか紹介したいと思います。

Municipality

地方自治体のこと。より細かくは県(Prefecture)や市(City)、町(Town)などと表記されます。

Authorities

日本語の「当局」にあたります。ある事件や事故があったときに責任をもって調査したり対応にあたる組織や団体をさします。それを行うに必要な権限が与えられているためAuthoritiesなのでしょう。

Novel Coronavirus

新型コロナウイルス。Novelは「新しい、新奇な」という意味があるけれど、New CoronavirusというよりNovel Coronavirusという表現をよく聞きます。WHOによると「2019 Novel Coronavirus」というのが今の所の正式名称のようです。

Pneumonia

肺炎。新型コロナウイルスのニュースに伴ってよく聞くようになりました。つづりが難しいですね。

Incubation Period

潜伏期間。最近の新型コロナウイルスの流行に合わせて聞くようになりました。新型コロナウイルスは潜伏期間においても感染の可能性があるようです。

Quarantine

検疫。これも最近の新型コロナウイルスの流行にあわせて聞くようになりました。新型コロナウイルスの国内での流行を防ぐために水際対策の一貫として検疫が強化されています。最近だとクルーズ船に対する検疫がよくニュースになっています。

Occupied by... Claimed by

領土問題に関するニュースでよく聞く表現。Occupied byは占拠されている、Claimed byは領土であることを主張しているという感じでしょうか。例えば、尖閣諸島は以下のように表現されることが多く

Senkaku island is occupied by Japan, claimed by China and Taiwan.

一方で竹島は以下のようになり

Takeshima island is occupied by Korea, claimed by Japan.

誰が実効支配していて、誰が領有を主張しているかが明確になってわかりやすい表現になっています。

Mainland China

中国に関するニュースを聞くとき、Mainland Chinaという言い方をすることがあります。これは台湾や香港といった特別な地域を抱えている中国を指す際の独特の表現かもしれません。Mainland Chinaは明確に「中国政府の法の支配を受けている大陸の地域」を指す場合に使われるのだと思います。

Militias

民兵。アラブの春を発端とする中東地域の紛争、内乱には正規軍以外のほぼ何らかの民兵組織が絡んでいます。有名なところだとコロンビアのFARCやシリアの反政府勢力、自由シリア軍などがいます。

ちなみに発音がちょっと難しくて、誤解を恐れずカタカナでかくなら、「マリシーシャス」に私には聞こえます。


Chief Cabinet Secretary

日本の官房長官。Chief Cabinet Secretary, Yoshihide Sugaという表現はNHK Worldを聞いていると何度もでてきます。Secretaryはそれ自体は「秘書」といった意味があるようですが、各国の重職に使われる単語のようで、例えば米国の国務長官はSecretary of Stateと表記されます。

ちなみに、総理大臣はPrime Minister, Shinzo Abeになります。

Emperor Emeritus

上皇。これまで最後の上皇即位は1817年のことらしいので、ここ200年ほどはニュースで使われることはほぼなかった単語です。emeritusとは「名誉退職した」というような意味の単語で直訳すると名誉天皇。名誉会長、名誉教授といったものと同じ感じでしょうか。

ちなみに上皇后はEmpress Emeritaです。

Decontamination

除染。もともとの意味は汚染されたものをもとに戻すこと一般を指しますが、2011年3月11日の福島第一原子力発電所の事故以来行われている、放射性物質の除去作業を指すことが多いです。

Decommission

廃炉。これももともとはなにかを廃止、退役させる作業一般を指しますが、ニュースでは原子力発電所の廃炉作業を指すことがほとんどです。

ちなみに分散システムであるHadoopでサーバをクラスタから切り離す作業もdecomissionと呼ばれています。

Impeachment

弾劾。米国では史上3度めの弾劾裁判がトランプ大統領に対して行われています。この弾劾のニュースでは聞き慣れない単語がたくさんでてきました。

- House of Judiciary Committee: 下院法務委員会。弾劾裁判を開くかどうかを審議していた。
- Subpoena: 召喚状。ウクライナ疑惑で重要な鍵を握ると見られたボルトン大統領補佐官を弾劾裁判に呼ぶとか呼ばないとかを審議していた。
- Motion: 動議。先程の召喚を行うかどうかの審議は動議として出された

弾劾のプロセスはとても複雑です。下記のNY Timesの記事がとてもよくまとまっていました。

Caucus

党員集会。民主党の候補者選びが今週から本格化しました。まずはアイオワ州で党員集会が開かれ最年少のPete Buttigieg候補が優勢と伝えられています。

House of Representatives

下院。日本でいうと衆議院にあたります。先程の弾劾裁判を行うにあたってまず下院の委員会で審議するため何度もニュースにでてきました。ちなみに日本の参議院に対応する上院はSenate。

Running for President

大統領選に出馬する。大統領選を戦い抜く諸々をPresidential Campaignといいます。多くのヒト、モノ、カネが必要な米大統領選のプロセスはまるでひとつのビジネスキャンペーンといえます。

下記の動画でも冒頭、"I'm running for president"といっています。

Biodegradable Material

自然分解可能な物質。通常のプラスチックなどの自然分解が難しい物質に対して、海などの流れても自然環境への影響が小さい物質の開発が急がれています。

Plunge and Soar

(株価が)下がる、上がる。株価の動向を表す英語には実に多くの種類があります。

上がる: Increase, Go up, Rise, Skyrocketing
下がる: Decline, Drop, Slump, Sluggish, Fall, Crash

それぞれにどのような意味の違いがあるのかはわかりませんが、多分に感情のこもった表現になりがちな気がします。Skyrocketingはものすごい株価が上がって嬉しい気持ちが伝わってきませんか?書き手、読み手の悲喜こもごもがあるからでしょうか。

参照

Bloomberg
- NHK World
- WSJ Podcast


Image by Krzysztof Pluta from Pixabay

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