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【映画紹介#1】VIDEOPHOBIA【IIDXの版権曲の人が参加してるよ】

名古屋シネマテークで鑑賞したVIDEOPHOBIAについて感想や見どころをまとめます。

Filmarks:

https://filmarks.com/movies/89778/reviews/101588530


予告編:


【映画あらすじ】

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大阪コリアンタウンを舞台に女優を目指す女性・愛の恐怖を描いた社会派スリラー映画。

クラブで知り合った男との一夜限りの情事がネット上に拡散される。やがてその動画は徐々に増殖していき、徐々に精神が崩壊…その結末に愛は「ある行為」を行う。

【見どころ1:独創性あるデザイン/BGM】

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この映画、スリラー映画ものではありますが劇中の前衛的演出が散りばめられていてそこが良かったです。

例えばクラブにトイレットペーパー(+ホルダー)を顔面につけた某○-projectのようなDJ、まるで愛の情事をターゲットの如く捉えようとするフクロウ、コリアンタウンで愛がバイトとして入っている気ぐるみなど…

終盤の展開まで含めると本作は「見えない情報を抜き取る誰かからの視線」「仮面を被って演じる人間の苦悩」を強調した作品で、それを強調するような演出がインディーズ感があって好きです。しかも奇を衒う感じを全面に押し出していないバランスもあって、きちんとスリラーとして人間の恐怖を描いていました。

余談ではありますが、この映画のEDにメタル調のBGMが起用されています。DJ BAKU氏の楽曲ですが、実はIIDXに彼の版権曲が収録されたことがあります。(SINOBUZの隠し曲兼版権の「SCREAM THE LIFE FEAT.KYONO」)

本作のED

IIDXに収録された楽曲「SCREAM THE LIFE FEAT.KYONO」


【見どころ2:見えない恐怖を語る】

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テーマ選定 / ストーリーラインとしては和製ヌーヴェルヴァーグ的なタッチに感じました。

リベンジポルノ系だけでなく、それによって受け止めた心理的な不安と不確定な情報が混在したところ…で段々と精神が崩壊していく/生活も非日常的に映っていくところに社会的な怖さを内包しています。

そんな「誰がどんな思惑で見ているか?が見えない現代社会」を情事がX○IDEOSに拡散される姿と現代社会の人の二面性に重ねたところが荒削りながらもストレートに伝わる作品でした。

これはミニシアター系じゃないと間違いなく見れない部類の映画だと思います。

【感想】

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インディーズらしい作品で予告編も見ずに鑑賞してみたら、意外と楽しめました。

テーマに対する心理的不安の答えを半ばSF✗スリラータッチで描くところ、随所に散りばめられた面白い演出・メタルのカッコいいBGMと良い味が出てる作品でした。

それでもストーリーラインとして荒削りである感は否めなくて全編通じて見えない事の謎がスリラーとしての怖さを演出している…と同時に説明不足による消化不良感も否めなかったです。

ゴダール「女は女である」やアニエス・ヴァルダ「5時から7時までのクレオ」の肌触りを今年の邦画で見れる意味で、未知の体験が出来る映画なのは間違いないと思います。そういった意味でもアンコール上映やDVD化される暁に鑑賞してみてはいかがでしょうか?

評価:6/10点

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